呪われ戦士は国を救う 4
「すばらしい……呪いの力とは……適性がある者にやどればそれは常人を超えた力を有する」
国王は玉座で一人黒い霧を纏いながら呟く。
「学園や支配地から適性者をさがしだし呪いをかければ、どの他国も征服できる軍事力が得られる!」
「だとよ王子様」
「何者だ!」
玉座の間に二人の人物が現れる。ひとりはこの国の王子。もう一人は身丈程の斧を背負った女戦士。
「父上……あなたはこの国を戦争へと導きたいのですか!」
「な? 直接聞きに行った方がはやいだろ?」
「呪いにまで手を出して……あなたという人は!」
「いやー制服苦しかったー! 斧恋しかったー! 呪わてるけどやっぱりマイフェイバリットウエポンね!」
「あの、かなり大事な時にそのノリやめてください……」
王子はすこし気が抜けかけたが持ち直し、厳粛な姿勢で道を外れた父親を睨む。
「今ここで、貴方を倒し、私が国王となる! 平和な国の為に!」
「やれやれどこで教育をまちがえたか、私には向かうとはな」
「で、いいんだな 。報酬はしこたま貰うとして、依頼は」
女戦士は斧を構える。呪われたその斧は異常な重さになってしまったが女戦士はものともせず斧を振り上げ構える。腕の呪いに激痛が走るが、普段以上の力で斧を構えられている。
「ええ、国王討伐を!」
「この反逆者め!」
「しゃぁらぁっ!」
女戦士は国王へ飛びかかり斧を一閃振りかざす。容赦の無いその斬撃は国王の胴体をふたつに分かつが、国王は黒い霧に変わり霧散していく。その霧は玉座の間にある隠し通路へと漂い流れて行った。
「国王……父上をとめられたのか?」
「いや手応えがねぇな 」
王子と女戦士は隠し通路へと歩みを進める。