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【推理】名探偵ジナン
ぼくの名前はチョーナン。
チョーナンは大変だ。弟のジナンとサンナンのために何でも我慢しないといけない。
でも今日はちゃんと冷蔵庫にプリンが3つ買ってあるんだ。お母さんがちゃんと3つ……あっ?
冷蔵庫を開けた弟のサンナンが「きゃあああーっ!」と悲鳴をあげた。
そう、そこにはプリンが2つしかなかったのだ。誰かが3つめのプリンを殺して食べたのだ。
「どうしたの? おにいちやん」
すっとぼけたような声でそう言いながら、ジナンが隣の部屋から飛んできた。
ジナンは名探偵だ。見た目はこどもだけど、中身はオッサンなんじゃないかってほど理屈っぽい。
冷蔵庫を開けっぱなしにして愕然としているぼくとサンナンの様子を見ると、ジナンはすぐに事情を察したようで、顔より大きな黒縁メガネをくいっと指で上げると、ふてぶてしいともいえる自信たっぷりな表情で、言った。
「犯人は、ぼくだ」