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【純文学】あたしのオノマトペって、変?
雪の上をぬるぬるとタイヤチェーンの音を鳴らして、トラックが走り抜けていった。
あたしはめむめむとみかんを食べながら、それを見送った。
山道沿いのガソリンスタンドの休憩所内はムラムラと暖かくて、寒い外には出る気にならない。
外に出ていた浩介が、ペケペケと靴音を立てて入ってきた。
「外、寒い?」
あたしはわかりきったことを聞いてみた。
「うん。ピキピキに寒いよ」
なんだ。ふつうだな。
もっと寒いのかと思ってた。
試しにあたしも外に出てみた。
浩介が嘘をついてたって、わかった。
「モケモケに寒いじゃん! 嘘つき!」