【なろラジ大賞失敗作】大体それで合ってる
なろラジ大賞用に書いたものですが、タイトルに【量子力学】を入れたくなかったのと、何よりAIのべりすと様との共作ですので、ボツにしました。
「ねえ、量子力学って何? 説明してみて?」
「……えーと……」
美夏に聞かれ、俺は言葉に詰まった。
量子力学の話をしたいのはやまやまなのだが、正直なところ俺もそれほど詳しくはないのだ。
そもそも俺がこの大学に入学したのは、物理の授業で先生が話した内容が面白かったからだ。その先生は物理学科の教授で、量子コンピュータの研究をしている人だった。
しかし残念ながら、先生の話の内容はさっぱり理解できなかった。いや、正確には何を言っているのかは分かるのだが、それがどういう意味なのか分からなかった。要するに、俺にはその分野の才能がないということだった。
まあそんな訳なので、俺の知識レベルというのは、高校の時に授業で習った程度のものだったりする。
だが今ここでそれを白状するのは恥ずかしいし、それになにより、せっかくやる気になっている美夏をガッカリさせるようなことはしたくない。
紙コップのコーラに刺したストローをくわえたまま、美夏はじっと俺の顔を注視している。
「えっと……な」
美夏は俺の顔を注視している。
「つまり……なんというか……」
美夏は俺の顔を注視している。
とりあえずその場をしのぐために適当なことを言おうとしたところで――
「あらあら、それなら私が教えてあげましょうか~」
横から助け船が現れた。
「あ、葉月さん」
そこにいたのは先輩の綾瀬葉月さん(二十歳)であった。
「実は私、高校では量子力学を専攻していたんです。よろしければお力になりますよ~?」
そう言ってにっこりと微笑む。おお、それはありがたい! 高校でそれを専攻って意味はよくわからないけど。
「え、ほんと!? いいの!?」
ぱあっと顔を輝かせる美夏。
「はい~。もちろんですとも」
鷹揚にうなずく葉月さん。
「やったー♪ じゃあさっそくだけどお願いね。えっと……」
「綾瀬葉月ですよ~」
「うん分かった、よろしくね葉月さん!」
美夏は嬉しそうな顔のまま葉月さんの手をぎゅっと握る。
こうして、新たな講師陣が誕生した。
俺はちょっと悔しかったけど、無言で葉月さんにその場を譲った。
まあ、何だかんだで女の子同士仲が良いようで結構なことだよな。
葉月さんの説明は正直俺にはさっぱりわからなかったのでそれをここに書くことは出来ない。
しかし、その説明を聞き終えるなり、美夏が三回うなずき、こう言ったのだった。
「うん。大体合ってる」
AIのべりすと様割合6:私の書いた部分4ぐらいです