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【詩】星ひとつ
空に星のない夜
部屋の中に星がたくさんありました
それは遠すぎて手が届かないので
私はただ祈りました
こっちおいで
こっちおいでよ
星ひとつ
キラキラ黄色い星が
私の声にこたえるように
くるくる飛んでくると
てのひらに乗りました
ぼくはあなたのことが
星ひとつぶん好きだよ
大好きまではいかないけど
好かれるのって嬉しいでしょ?
ありがとう
好きになってくれて
気持ちだけでも嬉しいよ
星さんに見てもらえることが
真っ暗な部屋に
ただひとつタブレットのあかり
そのむこうにある星空の中から
星ひとつ
もらったよ
おかげで私
消えなくて済んだ