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【SF?】気分転換
気分転換に町へ出た。
空は快晴。グロいほどの真っ赤。
風はうざいぐらいに吹いてるけど、耐えて歩けば結構運動になる。
何にしろ、あの狭い部屋にずっといるよりはナンボかマシだ。
棺桶のような部屋でじっとして、モニターの中にずっと面白いものを探していると、心の中になんだかムシャクシャとした黒いものが溜まっていく。
気分転換は生活に必要だ。
昔は気分転換といえば、景色のいいところへ出掛けていたりしたらしい。
景色のいいところって、どんなところだろう? 水星とか?
火星の景色はどこへ行っても同じだ。滅びた地球には色んなところがあったらしいが……。
昔は食べることも気分転換になったらしい。よくわからない。食事って、チューブで血管に送られてくるものなのに、どうやってそんなことができていたんだろう?
町まで歩く途中、白い部族がいつものように、杖をシャリシャリと鳴らして祈祷をしていた。
下書きから掘り出しました




