★Oppaiを卒業できない夫の子
「ケンジぃ……。そろそろOppai卒業してよ」
「いいじゃないか、マユミ。ちゅっぱ、ちゅっぱ」
ウチの夫はなかなか私のOppaiを卒業できない。
もうすぐ第一子が産まれるというのに。
このままじゃ赤ちゃんを押しのけて、私のOppaiを独占してしまいかねない。
育児の邪魔になる!
「安産のためには歩くのがいいらしいからね」
そう言って夫が海の見えるウォーキング・コースに連れ出してくれた。
いいところだ。
人気がなくて、崖の上。
崖から見下ろすと岩と海しか見えない。
そしてとても高い。
「最近、マユミのOppai、超大きくなってるから嬉しいよ。歩けばもっと大きくなるかも……。シシシ!←(笑い声)」
そう言うと、ケンジは崖の縁に立って、下界を見おろした。
「わぁ! 凄い景色だぜ」
私はその背中を、思い切り、押した。
「はい、いきんでー。ヒッヒッ、フー」
看護師さんの声に合わせ、頑張って産む。
エコー検査で男の子だということはわかっている。
もうすぐ会えると思うと頑張れる。頑張るしかない!
「ヒッヒッ、フー……!」
頑張れ!
頑張れ!
頑張れ、私!
もう邪魔な夫はいない!
私の母乳はすべてこの子のためのものだ!
「頭が出てきました! もう一息ですよ!」
「ヒィィィッ! ヒッ……フー!」
「はいっ! 取り上げまーす!」
「ヒアアアアア……アーッ!」
私の赤ちゃんが、産まれた。
産まれたその瞬間に、喋った。
「マユミ! 帰ってきたぜ!」
「け……、ケンジ!?」
新生児が私の股の間ですっくと立ち上がった。ニヤリと笑う。
「おうよ! 俺はおまえのOppaiを吸うため、地獄から這い上がったぜ!」
「こ……、殺して! 悪魔よ!」
医師や看護師に訴えた。
でもみんな恐怖で固まっている。
「Oppai吸わせろー!」
新生児となったケンジが私の胸に飛びついてきた。