★【カレーなる短編料理企画フライング失敗作】 華麗なる蛙化
彼と二人でドライブ♡
あたしの車の運転で、川口県の『ワイルド・パーク』まで行ってきた。
彼ってチョイ悪でワイルドなの♡
そんな彼だから運転はさせられないけど、助手席でいっぱいワイルドなお話を聞かせてくれた。他人にはちょっと話せないグレーで波乱万丈な彼のリアル・ストーリーにますますあたしは夢中になってちまいまちた♡
高原に作られたサービスエリアで、あたしは愛車マツダ3を停めた。
ほんとうは彼のアルファードで来たかったけど、彼に運転させるわけにいかない。だって運転までワイルドすぎるから。
お昼ごはんだ。はらへりまちた♡
あたしたちはラヴラヴで手を繋ぎ、ラーメン屋さんとカレー屋さんが並ぶフードコートに入っていった。
あたしはすぐに『南国風野菜もりもりカレー』に決めた。
彼はワイルドなわりに優柔不断だからなかなか決まらない。
「おっ? 鉄板焼カレーだってよ! 俺、これにするわ」
さすが彼P、選ぶ食事メニューまでワイルドね♡ って、思った。
同時に出来上がったお料理を取りに行き、彼のを見て、あたしもそれにすればよかったかなーと思った。
おおきな丸い鉄板にごはんが盛られ、その上でワイルドにカレーがボコボコ煮えたぎってる。すんげーうまそう!
「鉄板が熱くなっておりますので、お気をつけください」
店員のおばさんがニコニコ笑顔で教えてくれる。彼はろくにそれを聞いてない様子で、舌なめずりして早く食いたがってた。
席に戻ると、早速二人同時に食べはじめた。あたしたちって、なんてタイミング的相性がいいんだろう♡
彼がワイルドにスプーンを持ち、ワイルドに鉄板を、手で持った。ちなみにスプーンのとこにも『鉄板が熱いですのでお気をつけください』って書いてあったのに。
ジュウウウ……という音が、賑やかなフードコートに響き渡った。
「あちいぃいぃいぃいいい!!!」
左手をおさえたまま勢いよく立ち上がると、彼がおばさんに文句を言いに行く。
「あちぃだろうが! 見ろ、火傷したぞ! どうしてくれんだ!? ア!? おまえんとこは客に火傷させるような」
南国風野菜もりもりカレーとバカ男を置いて、あたしはマツダ3に乗り込むと、一人で帰った。