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あふりか
リカがアフロヘアーにして登校してきた。
「どうしたの、それ?」
「わたしはアフリカよ。今日からそうなったの」
よくよく観察してみると、リカのアフロの中には色んなものが隠れていた。シマウマ、ゾウ、インパラ、ライオン……
あたしは言った。
「いいね、それ」
「何よ!」
リカは、怒った。
「わたしの気も知らないで!」
知るわけがない。リカはリカで、あたしではないのだ。リカの気なんて知れるものか。
そう思ったけど、あたしはにっこり微笑んで、「ごめんやっぱりどうでもいい」と言ってあげた。
リカはそれも気に入らなかったようで、ゴリラになって胸をばほばほ叩いて抗議する。
もう七夕は過ぎたけど、食べるかと思って笹の葉を差し出してみた。
でもリカはパンダにはなれなかった。よく考えたらあれは中国のものだったのだ。