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くるくるホウレンソウⅵ
俺の名はデイヴィッド・タナカ。世界を股にかける国際スパイだ。
最近、ようやく気づいたことがある。
うちの組織における『ホウレンソウ』は『報告・連絡・相談』ではないということだ。
まずは『放置』だ。
肝心なことを伝えずに諜報員を放置する。
ギリギリになってから諜報員が慌てたら「わし、あれほど言ったのに」と、伝えたことにすればいい。
そして『連続勤務』。
どこまで続くのかわからないだけに精神をすり減らされる。
最後に『ソウ』──
ボス「そうだ。あれもしとかなきゃだった。デイヴィッドの休憩時間や休日を削ってやらせよう」
相談も何もなく、突然休憩時間を削り取られ、休日をなくされる。
拒否したら給料が10万円減らされるのでやるしかない。
すべての体力を奪い取られた。
おやすみ。