★【漫才】昭和の『うわ』って、何を叫んでるのは?
「ねえ」
「ん?」
「昭和の『うわ』って、何を叫んでるのは?」
「は?」
「だって『うわ』って叫んでるでしょ? 『しょ……うわーっ!』って」
「あほらし」
「あほらしって何よ!」
「じゃ、令和の『いわ』ってどんな岩なのは?」
「ばかじゃないの? 令和は令和よ! 岩じゃないわ!」
「同じことだろ」
「何のこと?」
「昭和の『うわ』も、べつに叫んでるんじゃねーよ」
「そうなんだ?」
「そうだよっていうかどうしてそんなことを思っちゃったのは?」
「だって昭和っていえば、前前前世じゃん?」
「そこまではいかねーよ。前前時代だよ」
「あまりにも昔のことって、色々と不思議なもんじゃん?」
「まぁ……、現代とは違ってて、今の常識が通用しないみたいなところはあるよね」
「原始時代みたいなもんじゃん?」
「そこまではいかないけどね」
「人類が火を発見したのって昭和じゃん?」
「失礼だから、それ! それに昭和生まれのひとってまだ若いんだよ?」
「たとえば?」
「Perfumeなんて3人のうち2人が昭和生まれだよ。ギリギリだけどね。あとAKB48の初期メンバーなんてほぼみんな昭和生まれだよ」
「みんなオバ◯ンじゃん」
「それ言ったらだめなやつーっ! あと伏せ字入れる場所がほぼ意味なーし!」
「やっぱり平成がいいよね」
「まぁ……。落ち着くよね」
「平成の『いせい』がいいよね」
「やめろよ! せっかく落ち着いたのに威勢がよくなっちまったじゃねーか!」
「『いせい』といっても、色んな『いせい』があるでしょ」
「ん? ……ああ、同性じゃなくて異性とか? ポッ」
「うん。同姓同名じゃなくて異姓異名みたいな意味で」
「それまったく違う名前だから」
「じゃ、異星人の異星、みたいな」
「平成生まれは異星人だっていうのかよ!」
「ところで真剣に……。本当に、昭和の『うわ』って、何を叫んでるのは?」
「さっき言っただろ!」
「ねえ」
「あっ、どっぷり昭和生まれのおじさんだ。こんにちは」
「こんにちはー」
「さっきから聞いてたんだけどさ」
「うわっ、盗み聞きだ」
「うわっ、やっぱり昭和生まれのひとって……うわっ」
「語尾についてる『は』ってどういう意味なの?」
「は? は……とは?」
「このおじさんは何を言ってるのは?」
「もしかして令和の流行り言葉? そうなら俺も身につけたい」
「っていうかふつうに私たち喋ってるのでは?」
「おかしくなんかないのでは?」
「あっ! そういう使い方か!」
「何がなのは?」
「よくわからないんだけどは?」
「言葉は生き物だっていうからね。現代の『は』の使い方はそういうふうに進化してたってことは?」
「なんでも疑問文の語尾につければいいってもんじゃないってことないですよは」
「てにをは、てにをは」
「これがジェネレーション・ギャップってやつは?」
「そうかもは」
「そうかもは」
「キミら、いい加減にせいっ! ……は!」
「は」
「ははははは!」
「「「ありがとうございましたはー」」」




