【Oppoがとても書きにくいので】シャオミで小説を試しに書いてみた
「どうだろう?」
おじさんが優しい目をして聞いてきた。
「打ちやすい」
私は爽やかな1月の朝日の中、にっこりと微笑みを返した。
「まだ慣れてないから打ち間違いとかあるけど、使ってればかなり速く打てそう」
あんなに気に入ってなかったはずのシャオミのスマホ。時を置いて再び使ってみたら、どこが気に入ってなかったのかさえ忘れてた。
問題なく文章入力できる。薄くて持ちやすい。画面も今までずっと使ってたOppoより大きくて……
「そのシャオミのスマホ、2年以上もほったらかしにしてたんだよね?」
「うん、気に入らなくて……。それでソニーの古いエクスペリアをしばらく使ってたんだけど、それも充電がもたなくなっちゃって……それでOppoにしたの」
「Oppoは気に入ってたんだよね?」
「うん、とっても。何から何まで自分好みで、使いやすくて……。でも、液晶が壊れたのか、画面下半分が真っ暗になっちゃった」
「修理には出さないのかい?」
「あんしんパックに入ってなかったんだよね。ビッグローブのそれ、確かお得感がなかったんだと思う」
「シャオミはなんで気に入ってなかったんだい?」
「さあ……?」
私は2年振りに手にした黒いシャオミを見た。
「なんでだろう……。覚えてない」
2つほど、気に入ってなかった点は覚えていた。
GPSが狂っているのだ。ナビに使うと道なき道を走らされてしまう。
もうひとつは文字入力のしにくさだった。特に顔文字が、たとえば『ぐっ』と入力しても『(๑•̀ㅂ•́)و✧』が候補に出てこなかったはずだ。当時は顔文字辞典の存在も知らなかった。
でも今『ぐっ』と打ち込んで、変換したら、ちゃんと『(๑•̀ㅂ•́)و✧』になった。なんでだろう。Oppoの設定がシャオミにも反映されてる。
ほんとうは青がよかったのに品切れで、仕方なく黒にしたことも思い出した。でもOppoも黒しか選べなかったので、そこに不満はなかったはずだ。
何が……不満だったんだっけ。
とりあえず使ってれば思い出すのかな?
シャオミを使って短編小説をひとつ、書いてみることにした。
サクサク書ける。キーボードが真っ暗で見えないので誤入力しまくってたOppoに比べれば、闇鍋と寄せ鍋ぐらいの違いがある。
シャオミにはOppoにインストールしてるゲームがない。執筆に行き詰まるとつい始めてしまい、二時間ぐらい無駄にしていた、あの憎きゲームがない。いいことだ。絶対ダウンロードしないぞ。
しかし本当に、私はシャオミの何が気に入ってなかったのだろう。
シャオミの前にはホアウェイを使っていた。それが気に入ってただけに、シャオミが気に入らなかったという、そんな記憶はある。
一体、何が……
「あっ」
落ちた。
いきなり、執筆中の画面が固まり、ホーム画面に戻ってしまった。
バックアップされてるので問題はなかった。でも、これがもし活動報告を書いてる時とかだったら……
「ああっ!?」
今度は固まったまま、動かなくなってしまった。
『活動報告をかい』まで書いたところで、何を押しても動かなくなってしまった。
「これでか!?」
こんなんだった記憶はなかったが、実際に落ちたり固まったりしまくっている。これで気に入らなかったのだろうか。
また、もうひとつ思い出したこととして、画面が大きすぎる。大きいことはいいことだが、大きすぎると片手入力ができない。座って両手入力をしているうちはいいのだが、寝転んで片手で入力しはじめると、上のほうまで指が届かない。、
「ああっ……!?」
あと、さっきからずっと思ってはいたのだが、なぜか『。』のあとに自動で入るように『、』が入る。
……どうしよう。
やっぱりこれ、気に入らない。
信頼感に欠ける。
Oppoはもはやブラインドフリック入力養成マシーンと化してるし……。
新しい端末に変えないといけないの?