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【夏のホラー2023】歩いて15分の帰り道
会社から家までは歩いて15分。
余計なことを思い出すにはちょうどいい距離だ。
朝はそれどころではない。今日一日の仕事の予定を考えて頭が回る。家のガス栓を閉めたかどうかも気になっている。
忙しい一日から解放されて、頭にぽかんと空白が出来たような、帰り道にこそ危険はひそんでいた。
何か忘れているような気がする──
そんな思いに突然、囚われた。
忘れてはいけないほどに重要なことを、自分は忘れてしまっている。そう思えて仕方がない。しかし思い出そうにも手懸りは何もない。っていうか作者がなんにも考えていないので、主人公は思い出しようもないのであった。ちゃん、ちゃん。