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【重々しい純文学】時計台のライトユーザー
その時計台は明治時代に建設されたものだ。歴史のオーラを身に纏いながら、今でも元気に時を刻み続けている。
しかし古いため、正確さにはやや問題があった。最新式の電波時計などとは比較にならないほどに手間がかかる。定期的に時刻を修正してやらないと、午前11時59分に正午の鐘を鳴らしてしまう。
市役所に勤める私が時計台の修正役を始めて11年になる。
私は時計台のことをよく知り、少しでも調子が悪いとすぐにわかってやることが出来る。時計台は私の息子のようなものだ。私よりもかなり年上の息子ではあるが……。
しかしこれを書いている作者のしいな ここみは時計台の時計がどうやって動いているのか、その仕組みすら知らない。
いわば時計台のライトユーザーである。
そんなやつがこんな小説を書きはじめるなど、身の程を知らないのも甚だしい。
誰か叱ってやってくれ。