表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/248

【ホラー】ザマァ・オブ・ラヴ

『海底で揺れてるあたし。わかめと一緒に揺れてたの。なんでこんなところにいるんだっけ、あたし。あたし、人間だよね? 記憶がなんだか曖昧だけど、あたし、毎日誰かにお料理作って、アイスクリームとか一緒に食べて……幸せだったよね、あたし?』


 彼女、どうやら海に沈められて殺された記憶がないようだ。まだ自分のことを人間だと思っている。こんな暗い海の底にいるのに。


 必死に自分を生者だと思いたがっている彼女に、僕は真実を教えてあげた。


「君は海ゾンビになったんだ」


『海ゾンビ?』

 彼女は首を傾げた。

 折れてる首が落ちかかって、慌てて手で支え上げてから、僕に聞いた。

『何、それ? 山ゾンビとか町ゾンビもあるわけ?』


 どうやら自分がゾンビだということは認めたようだ。それはそうだろう。腐乱した自分の手を見て、それを認めないほうがおかしい。しかし変わり果てた自分の姿をそこから想像して取り乱さないのは意外だった。


「君は付き合っていた男に海に突き落とされ、死んで海ゾンビになったんだよ」


『え。じゃ、復讐したい』


「無理なんだ。君は海の底からは出られない」


『出たい』


「出られないんだ。だから、復讐するならそのへんを泳いでいる魚に八つ当たりするといい」


『わかったわ』


 彼女はそのへんを泳いでいるブダイやアンコウを手当たり次第襲うと、食べはじめた。僕が何者かなんて気にもしていないようだ。


「今のうちに八つ当たりするといい。今は夏だからね。そのうち冬になって、上のほうを泳いでいる魚が下層に逃げてきた時、君の気が済んでいないと大変なことになる」


『夏なのね……海の上は』

 彼女は魚を襲いながら、呟いた。

『夏が好きだったような気がするわ』





この続きが思いつきませんでしたm(_ _;)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  どう大変になるのか、ワクワクです。  続きが楽しみです。  夜も眠れない!  あ、今日、夜勤でした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ