6月の曲まとめ
2026年6月
【一粒大の涙はきっと / Hi-Fi CAMP(2009)】
曲調:爽やか、青春
6月というと皆さんはどんなイメージを持たれますか?
梅雨、ジメジメ、ネガティブな印象の方も多いと思うんですけど、僕はどちらかというと夏を目前にしたワクワク感とか、ウズウズ感を抱いてしまう季節です。
この曲のPVでは水泳部の女学生たちがプール開きの準備をする姿が映されるんですけど、まさに夏手前! を感じられて元気出ますよ。
水を抜いたプールの底でブラシ掛けして、ホースで水遊びして、練習後に夕焼けの校庭のベンチでアイス齧ってだべり合う。
ああ~青春してるなって。
この曲と出会ったのは大学1年生のときでした。
僕の母校は当時珍しい3学期制を採用していて、夏休みが一般の学校よりも早く7月いっぴから始まったんですよ。
長期休暇を迎える目前には期末テストがあるわけなんですが、初めてのテストなので勝手がわからず怯えますよね。
6月後半は友達と出席日数足りてるか確認したり、過去問集めたり、毎日食堂やファミレスにこもって勉強して過ごしてました。
テスト最終日の夜はサークルで恒例のお疲れコンパが開かれます。
そこそこ大きい地方大学のくせにアクセスは悪いド田舎だったせいで、生徒の9割は自宅通学じゃなく学舎かアパート暮らしでした。
だから門限とかの意識が無くて、基本飲み会というと誰かの部屋に集まり、そのまま朝まで入りびたるのが定番になります。
テスト最終日に先輩の家にお邪魔して、飲んでる内にいつしか床に転がって寝てて、次の日の昼過ぎくらいに目覚めるんですけど、その日はもう夏休み初日なんですよね。
これから何する? なんでもできるよね!
大学1年生の夏休みは掃いて捨てるほどの時間とエネルギーがあって、これからとんでもなく楽しい毎日が始まるんだ、という予感がとめどなく漲っていました。
この曲はそんな夏の直前を一発で想い起させてくれます。
【サクラあっぱれーしょん / でんぱ組.inc(2014)】
曲調:アイドル、ポップ、元気
『でんぱ組.inc』はメンバーそれぞれがコアな趣味を持つオタクで結成されたアイドルで、いわゆる地下アイドルとしてのローカルな活動から徐々に人気を博し大成したという特殊な経歴のグループだそうです。
可憐さよりも奇抜でシュールなカワイイを全面に押していて、今でこそそういうアイドルってありきたりになりましたけど、おそらくその系統の先駆け的な存在が彼女らだったんだと思います。
この曲のPVは中毒性がすごくて、僕は初見で「おっと、このアイドルはちょっと違うな」と思わず釘付けになったのを覚えています。
PVは長回しの一発撮りで、延々同じスタジオ内を回りながら都度小道具や衣装を変えてどんちゃん騒ぎする、という内容です。
アイドルってこんなにふざけても良いんだ、とびっくりしました。
ぶっちゃけ彼女たちは顔はあんまり可愛くない(ファンの人怒らないで)んですけど、なんというか、この動画から得られる元気や栄養というものが確実にある! と思わせてくれます。
当時は無限ループして聴き倒してました。
余談ですが、2014年の6月は所用で東京都の南沖にある離島・三宅島に渡り、1週間ほど古民家に滞在してました。
日中はレンタカーで緑が色付く山の中を走り、島特有の植生や野鳥を観察して、夜は閑散とした古民家でまったり過ごす、というスローライフな日々。
あの経験が現在の僕の離島好きの原点なのは間違いないです。
この曲と島の風景とにリンクするものは何ひとつ無いんですけど(笑)、そのときヘビロテしていたこの曲を聴くと、三宅島のキラキラとした初夏を思い出して胸躍ります。
【恋と嘘 / 赤い公園(2017)】
曲調:明るい、胸キュン
片想い中の女の子の心情を歌う曲です。
膨らむ恋心や思わせぶりな彼の態度への懐疑なんかが胸に溢れて、抱えきれずにのたうち回る少女の姿が浮かぶようです。
そんなキラキラの詰まった曲なんですけど、曲調は明るいのにサビのメロディーラインにはなんとも言えない切なさがあって、胸がキュンとしちゃいますよ。
「あなたを見つめる勇気も無い私なんかじゃ、真っすぐ夢を見つめるあなたの隣は似合わないよね」
エモ~!
話飛びますが、僕は10歳(小学3年)のとき引っ越しを経験しました。
神奈川県の同じ市内での引っ越しだったんですが、電車3本分くらい離れたので学区も変わり転校になりました。
便宜上前住んでた町を旧町、引っ越し先を新町と呼びますね。
その後実家の所在地は新町のまま変わらず、今でも僕の帰省先は新町なんですけど、やっぱり生まれてから10歳まで過ごした旧町の方は原風景として心に根強く残っていて、故郷と言われて思い浮かぶのは旧町の方なんですよね。
大学を卒業して地元に戻り数年が経った2017年ごろに、ノスタルジーを求めて頻繁に旧町へぶらつきに行くのにハマりました。
記憶に残る懐かしい地を巡るのはもちろん、10歳の頃は到達するのが難しかった様々な場所を探索したりして、改めて故郷を良く知って好きになりました。
あと、当時中型バイク免許を取るために敢えて旧町近くの教習所に通ったりして。
あの頃は夕暮れ時によく立ち寄る公園がありまして、ブランコに腰掛けてこの曲を聴いてたのを覚えています。
いま現在(2026年)僕は九州に住んでるんですけど、思えばなんでこんな遠くに来ちゃったんでしょうか。
帰りたいですね。またあの旧町の公園のブランコに座りたくてたまらないです。
毎年6月にこの曲を聴くと、そんなホームシックに駆られてしまいます。
【あたしをみつけて / Salley(2014)】
曲調:優しい、しっぽり
梅雨というと雨の煩わしさとか、湿気と蒸し暑さからくる不快感とかがネックですよね。
でも長い1年の中でこの時期だけの特別なものだと考えれば、ちょっぴり許せてしまう気もしないですか。
この曲はラブバラードです。
水の波紋に揺れるような幻想的で優しいメロディーが、すうっと心に浸透するようで自然と心が落ち着きます。
室内に佇んで、窓から優しい雨の風景をじいっと眺めるようなシチュエーションにこの曲が流れていると、梅雨を何倍も愛おしく感じられますよ。
この曲と出会った2019年は新潟県に住んでいました。
よく週末の夜は水の張った田園風景の中、お気に入りの徘徊コースを原付で走ってました。
晴れの日に走るんですけど、それでも梅雨なので湿気は凄いんですよね。
湿った夜風の中では吸い込んだ空気が鼻や口を湿らせて、まつ毛に付いた水滴がまばたきのたびに瞳を潤す。
空気にも濃い草の香りというか、独特の味があって、6月の徘徊もたまらなくノスタルジックです。
気温的にも暖かくなって、深夜から朝方にかけての徘徊があまり苦じゃなくなります。
夜通し数時間ブラブラ走って、だんだん空が白んできたくらいの時間帯、広大な田んぼ道に僕以外の人の気配はまったく無い、という空気感が好き。
これから街は人が動き出して活気づいていくけど、一方僕はひと冒険を終えて、あとは家に帰って眠るだけ。そういう対比も心地良くて週末の夜更かし(徹夜)は大好きでした。
【蜜月 / 猫戦(2022)】
曲調:しっぽり、ゆったり、リラックス
2022年の一時、僕は新潟県の離島・佐渡島に滞在していました。
最高でした!
ここでの思い出は僕が死ぬとき必ず走馬灯の中に登場するだろうなというくらい、人生においてかけがえのない体験でした。
※詳細については『原付徘徊の章:佐渡島3カ月滞在記』で全3回分くらいのエピソードでまとめてます。
滞在中は原付で島を回りながらいろんな曲を聴いてたんですけど、いま振り返ってみると、ここでの生活と一番強く結びついている曲として、この『蜜月』が挙がります。
チルアウトサウンドというんですか、ギターソロや女性ボーカルの声が耳に心地良くて、まるで透明な水に沈んで底に横たわってるような気持ちになります。
自然と「水」をイメージしてしまうんですね。
これが四方を海に囲まれた島特有の景観ともマッチしていて、特にお気に入りの曲でした。
仕事終わりに原付で海岸線を走って、岬の展望台とか浜辺とかに立ち寄ってよく聴いてました。
ソロキャンもたくさんしましたね。
懐かしい……。
僕は毎年聞く曲を変えるというこだわりと、頻繁に住む場所を変えるというこだわり(?)があります。
いつかプレイリストを聴き直したとき、その曲を聴いていた当時の暮らしや思い出がわっと甦るような、そういう印象深い経験をたくさん作っていきたいんですよね。
毎年同じようなことを繰り返してると思えても、その時々でハマってることや悩んでることは違ってて、そのときの心情が曲たちを聴くことで生々しく甦ってきます。
いつかまた佐渡島に渡ることがあれば、ぜひとも思い出の場所で海を眺めながらこの曲を聴き直したいです。
【わすれさせて / YAJICO GIRL(2023)】
曲調:優しい、失恋ソング
この曲は2023年に出会った曲の中でお気に入りトップ1で、同時に6月のプレイリストの中でも数年ぶりにトップの座を更新した曲です。
失恋ソングなんですが、曲調はとても暖かくて柔らかいです。
「何度も苦しい想いをするくらいなら、いっそ彼女を忘れさせて」と言いつつも、その思い出は忘れられないほどの尊さに溢れているんだろうなと思わせてくれます。
切なくはあるけど、悲しいよりもじんわり温かな気持ちにさせてくれる、そんな名曲です。
ちなみに歌詞に桜が出てくるので春の曲ですが、僕は6月に出会ったので6月の曲です。
2023年は新潟に住んでいました。
翌年には引っ越しで新潟を去ることがわかっていたので、年内にやり残したことをやっとかないとな、と漠然と思ってました。
それでふと思い立ち、肝試しに出掛けたんです。
住んでいた地域の割と近くに有名な心霊スポットがありました。
元はテーマパークで、寂れて閉園したあとも建物は取り壊されずに残されて、それがそっくり廃墟化したような場所でした。
※その場所は私有地にあたるので、勝手に立ち入るのは不法侵入になります。なのでここから先のお話はフィクションです。
行きました。
深夜2時に。独りで乗り込みました。
そのときはまだ知らなかったんですが、実はその場所は知名度がありすぎて、肝試しに来た人々が物を荒らしたりボヤを起こしたりという騒ぎが絶えなかったそうで、数年前から監視カメラや赤外線センサー等の防犯システムが山ほど設置されてたらしいんですね。
鳴らしてしまいました。
たぶんセンサーに触れちゃったんでしょうけど、突然警報が鳴り響いて、黄色いサイレン灯が周囲を照らして、
「やらかした」と察した瞬間に全速力でその場から逃げ出しました。
廃墟の外に停めてた原付に飛び乗って、ヘルメットもつけないまま夜の中をがむしゃらに逃走しました。
生きた心地がしないというのをリアルで体験しました。
何が恐ろしいって、駆け付けた警官に捕まったとして、そのときに取られるだろうリアクションが何よりも怖かったです。
数人の若者グループでキャッキャ騒いでるとかならわかるけど、おっさん独りきりで来てるって、警察の皆さんもちょっと戸惑うじゃないですか。
百歩譲って独りでも、YouTubeの動画配信とかしてたんならまだメンツ保てますよ。
でも僕はそういうのですらないですからね。
ガチもんの異常者じゃないですか(僕はガチもんの異常者なんでしょうか?)
そんなこんなで命かながら警察の手から逃げ延び、どこぞの湖のほとりにたどり着いて、ちょうど昇り始めた朝日を眺めながら聴いていた曲が、この『わすれさせて』だったりします。
興奮と恐怖で高鳴る胸を抑えつつ、妙な達成感に包まれながら見つめたあの湖の朝を思い出させてくれる曲です。
~Happy End~




