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原付徘徊おじ☆彡  作者: 仲良しおじさん
原付徘徊の章
4/46

四国88カ所巡り その3:初テント泊

2018年8月



【お寺の立地問題】


 お寺がある場所は8割方が市街の中です。

 平地だから移動も大変じゃないし、割と近い距離に密集してるので一日に十数件くらい回れてしまいます。

 初日は徳島市周辺で20カ所くらい回れました。


 ただ、残りの2割は山の頂とか岬だとか、割とヤバめの僻地にあるんですよね……。

 間違っても原付でふらっと立ち寄るような場所ではないんです。

 昔の人々はこれを徒歩で巡礼していたというのだからとんでもない話です。

 そうした場所のお寺は敷地が大きくて厳かな雰囲気も別格でしたから、ありがたみも増すというものですね。


 というわけで、平地に加えて山・岬などに点在するお寺を含めて88カ所。

 それらが基本は海岸近くに位置しています。

 なので四国の海岸線を輪郭を描くように一周すると比較的スムーズに全箇所回れるような設計にはなっています。


 2日目は徳島市のネカフェから出発し、最南端の岬にある寺を最終目的地に定めて、ほぼ移動のみの旅となりました。

 岬でテント泊をし、3日目はそこから高知市街まで再び移動。



挿絵(By みてみん)


 寺と寺との距離が最大で80キロくらい離れてる地点とかもあったりして、その間ひたすら走り続けます。

 80キロなら時速80キロで1時間だろって思いますよね?

 でも原付で80キロなんて速度出ませんし、仮に出しても捕まってしまいます。

 交通ルール上は制限速度30キロですから。

 まあ律義に30を守る人などいないですが。

(※法に触れる部分についてはフィクションだと思って聞き流してください!)


 高速道路には乗れないし、下道もなんだかんだで直線になっていないので、80キロの移動でも3~4時間はかかってしまうのです。




【我々以外の巡礼者たち】


 昨日ずっと鉢合わせし続けた老夫婦とはもうエンカウントすることはありませんでした。

 自動車だったのではるか先へ行ってしまわれたのか、または徳島市街限定のお参りだったのかもしれないですね。

 安心しました。



 いくつか目の寺で観光バスツアーのご一行を見かけました。

 これは大型バスが88カ所を順々に回ってくれるというサービスの行き届いたお遍路ツアーであるらしいです。うらやましい!


 駐車場に停まったバスからご年配の方たちが20人ほど降りてきて、ガイドさんと一緒にお参りをしていました。

 その集団は境内の要所要所で止まり、その都度ガイドさんがなにやら解説を語っているようです。


 ガイドさんを取り囲むような輪ができていて、僕ら2人も何食わぬ顔でその中に並んでありがたい解説を拝聴させてもらいました。

 「タダでお話聞いちゃったぜ~」ってその時は得をした気分になりましたが、内容は何も覚えていません。



 そんなこんなでいろいろなものに無礼を働き続けていた僕らですが、とある寺で思わず緊張してしまう出来事に遭遇します。


 作法に従って御札を「納め札箱」にぶち込んでいく最中のことでした。

 この納め札箱は40センチ四方、高さ50センチくらいの銀色の金属箱です。

 上に御札を入れる穴が開いてるんですが、結構大きめなので普通に中を覗けちゃうんですね。(だからといって覗くのはマナー違反らしいですよ!)


 そこにゴールド御札が入っているのを目にしました。


「上級プレイヤーだ!」


※御札は白・赤・青・ゴールドといった色分けがなされていて、お遍路を回るのが何回目かによって使う札の色を変えるしきたりがあります。


 ゴクリと息を飲みました。

 箱の中で山を作っている無数の札の中で、ゴールド御札は割と上の方にあります。

 入れられてまだ新しい。

 この境内のどこかに上級プレイヤーがいるかもしれない!


 いたとしてもどうでもいいんですけどね。

 なぜか緊張してしまいました。


 ですが、そこではたと違和感を覚えました。

 二十数番目の寺にして初のゴールド御札を目撃しましたが、それまでに通った寺では一切見かけなかったんですよね。

 件のプレイヤーが順番通りにお遍路してるんなら全部の箱にゴールドあったはずなのに。


 もしかしたら飛ばし飛ばしで回っているのでは?

 上級ともなるとそんなチート行為を働いても許されるシステムなのでしょうか。

 うらやましい。

※ちなみにこの後もゴールド御札はときどき見かける程度の出現率でした。




【石段がヤバイ】


 岬周辺って地形の起伏差が結構あるんですよ。

 なので駐輪場から寺の本堂までに石段を登らないといけない箇所とか出てくるんです。

 所によっては数百段とか平気であるんですね。



挿絵(By みてみん)


 この壮観を見て震えました。

 登ってる最中には膝が震えました。

 真夏日ですよ?

 こんなん死ぬ人とか出るんじゃないですか。


「どうして神様はこんな嫌がらせするの」


 と涙ぐみながらも励まし合ってなんとか登り切りました。


 お参りを済ませた後に境内に置かれているベンチに横たわって昼寝ぶちかましました。

 そしたら通りすがりのおっちゃんに「いいねぇ!」とか声かけてもらいました。

 やっぱりこういうアホなことする人たちには寛容な場所なんでしょうね。




【テント泊について】


 2日目で四国の最南東端の岬に一泊。

 そして3日目に高知市街に到達し、海岸沿いの大きな公園兼キャンプ地で一泊しました。


 僕たちは火鉢や調理グッズは持っていなかったので、テントを立てた後に集落まで下りて飲食店に入るか、またはマ〇クでハンバーガーを買ってきて食べました。


 人生初のキャンプでしたが、最高でした。

 テントから顔を出して寝っ転がると星空がキレイすぎて心が躍らずにはいられない。

 真夏ですけど夜は風が吹いて涼しいし、そんなに虫も気にならなかったです。


 僕は神経質な人間なので、こういう場所で眠れるか不安だったんですけど、想像してた不便さより解放感のほうが全然上回ってました。

 普通に朝まで爆睡しました。


 なんでしょうね。

 聞いた話によると、潔癖症っていうのは厳密に細菌の汚染度がどうこう、というのではなく、自分の中で不潔さを許容できるかどうかという、あくまで心理的な問題なんだそうですよ。

 例えば手洗いのときは何秒以上流水するとか、特定の場所では必ずスリッパを履くとか。

 そういうのって科学的根拠じゃなくて、「こうしとけばセーフ」という安心感を得るためのおまじないみたいな役割なんだそうです。


 それがキャンプをしているという非日常の中に置かれると、「清潔でなきゃいけないレベル」が自然と数段階落ちるように感じるんです。

 一種の開き直りでしょうか。

 だから多少不潔でも全然OK!


 あれですかね、室内で遭遇するゴキブリにはとてつもない脅威を感じますが、屋外だとただの甲虫と同じじゃん~現象と似ている。



 しかし、翌朝。

 日が昇るとテントに日射が直撃しました。

 そうすると中が蒸し焼き状態になってしまうんです。

 もう7時手前には暑さの限界で、最悪の目覚めを体験しました。


 僕と友人はそれぞれ自分のテントに分かれて寝てたんですけど、ほぼ同じタイミングでゾンビのようにテントから這い出ました。


 なるほど。ちゃんと日の出の時間を計算して就寝した方がいいんですね。

 楽しいからと調子に乗って夜更かしすると寝不足になる恐れがありますよ。




~つづく~



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