『MEMORIES』 絶命時にリピート再生しながら逝きたい曲
2023年7月
今回は僕の7月の歴代プレイリストの中で最も思い出深い曲について語りたいと思います!
藤本健一という方の1986年リリース『MEMORIES』という曲です!
【情報不足】
藤本健一さんという歌手知ってます?
詳しく知っている方いたらちょっと教えてもらえませんか(唐突)
この方80年代に数曲をリリースして、その内のいくつかが当時のCM曲に起用されてたっぽいんですけど、あまりにも情報が少なくてよくわからないんですよね……。
Wikiもありません。
さらにややこしいことに同姓同名のアーティスト(ドラマー)がいるみたいで、ググってもそちらの方ばかりがヒットしちゃうんです。
僕が知ってるのはミキハウスという子供服メーカー(懐かしいw)とコカ・コーラのCMソングを歌ってたということだけです。
この内のミキハウスの曲が今回紹介する『MEMORIES』です。
YouTubeより引用:MEMORIES / 藤本健一
僕は楽曲だけじゃなく昔懐かしのCM映像を収集するのも趣味でして、大学1年生のころ熱心にネットをさまよってたらこの曲に行き着きました。
この曲を端的に説明すると「浜辺のメロウ・バラード」ですね。
これだけで大体イメージ伝わるんじゃないかと思います。
さざ波を背景にアコギをポロンポロンしてる感じです。
めっちゃ優しいんですよ。
西日が落ちたあとの、赤紫色から闇に変わっていく日暮れの浜辺でしっぽり聴きたい。
いや浜辺といわず海ん中入って優しい波の中をたゆたいながら聴きたい。
そうしてそのままゆっくりと意識を失っていきたい……的な。
【振り返る思い出】
元々こういう曲調が好みというのもあるんですけど、この曲に関しては思い出補正も多分に影響していてですね。
聴くたびに大学1年次の夏休みを鮮烈に思い出します。
僕は当時とあるスポーツサークルに入ってました。
夏休み期間は週2回活動があって、午前に集まって練習したりキャンパス内をランニングしたりします。
昼手前に解散して、まあ汗だくになるんですよ。
それでアパートに戻ったらすぐにひとっ風呂浴びて、クーラーキンキンに効かせた部屋でそうめんを啜って、一息ついたら昼寝するんです。
そのときにこの曲を聴きながらまどろみの世界へ落ちていく……、というのが至高のルーティーンでした。
なんのインパクトも無いごくごく日常の光景なんですけどね。
でも今になって思い返すと、そういう場面にこそ込み上げるエモさってあるんですよね。
かけがえのない夏休みの思い出って、もちろんそれぞれの年にありますけど、
やっぱり大学1年という新たな環境で迎えた初めの季節って、記憶も独特な異彩を放つ気がします。
そのタイミングでこの曲に出会ったっていうのが、やっぱり大きかったんでしょうね。
越えられないんですよ。
この後もたくさんの素敵な曲と出会いましたけど、どれもこの曲を越えていけないんです。
僕はプレイリストの中で節目ごとにお気に入りの一曲を選出したりしなかったりするんですが、7月のプレイリストではダントツでこの曲が1位。
その年度に出会った曲の中でもダントツ1位。
というかもう、全プレイリストの中でダントツの1位ですね。
僕の一番大切な曲です。
寿命が迫ったときにどれか1曲だけをリピート再生させながら死んでいけるとしたら、皆さんは何を選びますか?
僕は現時点ではこの曲を選びますし、たぶんそれは今後数十年経ったとしても変わらない気がします。
そんなふうに明確にこれだと言い切れる1曲を持ってる人って、この世にどのくらいいるんでしょうね、なんてふと思ったりします。
【プレイリスト月縛り法】
当時はまだ音楽聴くときにセルフ縛りプレイというのをしていませんでした。
入手した曲は全部まぜこぜにひとつのプレイリストに入れて、ランダム再生して季節関係なく聞き流してました。
そうしてると、通学時とか作業時とかの何気ないタイミングでこの曲が掛かったりするんです。
そのときに、
「この特別な曲をこのタイミングで聞きたくない」
「こんななんでもない時に気軽に聞いていい曲じゃない」
みたいな衝動が湧いて、意図的に飛ばしちゃうんですよね。
畏れ多いというか、もう一種の神聖なものを扱うような感覚。
好きな曲だから当然どんなタイミングでだって聴きたいのは聴きたいんですけど、無闇に聴きすぎるのは違うって感じてました。
そういうのがこの曲含めていろいろと増えてきて、試行錯誤した結果、『プレイリスト月縛り法』を始めるに至ったんです。
中でもこの曲がすべての始まりだったんだと思います。
プレイリスト月縛り法では、毎年7月の1ヶ月間はこの曲を自由に聴くことができます。
出会ってから10余年、いろんな夏をこの曲と過ごしました。
歌詞も浜辺の情景をうたってたりするので、やっぱり海が似合うんですよ。
だから海に行けば必ず流して黄昏てました。
特に去年の今頃(2022年7~8月)は新潟の佐渡島に滞在していたので、ここぞとばかりに浜行きまくってました。
島は良いですよ!
また人生のどこかで島暮らししたいですね!
話逸れましたけど、そんな感じで聞き飽きたり色褪せたりすることなく、むしろどんどん思い出補正値がインフレ化していってます。
どこまでいっちゃうんでしょうか。
【曲と創作モチベーション】
本当に好きすぎて、その愛ゆえに「この曲をイメージソングにした物語を創作したい」というところまで情熱が一人歩きした時期がありました(爆照)
病的ですね。愛が。
結局構想練るだけで頓挫しちゃったんですけど、供養の意味も込めてこの機会にちらっと語りたいなと思います。
※興味無い方は飛ばしてください!
2015年くらいに練ってたやつですね。
舞台は太平洋にある架空の離島です(曲のイメージに寄せてます)。
なんていうか僕、この曲の影響もあって島とかに対する憧れめちゃめちゃ強いんですよ!
という感じで、主人公は島で生まれ育った高校生男児で、ある日浜辺に打ち上げられて死にかけてる女性を発見して介抱します。
目覚めた彼女は記憶喪失で、どこに住んでいたのか、なぜここに流れ着いたのかもわからない。
それでひとまず島に仮暮らしして、島民たちと触れ合いつつ、スローライフしつつ、記憶が戻るのを待ちましょう、というあらすじです。
でも実は記憶はなくなってなんかいなくて、彼女は東京湾に身投げした自殺志願者だったんですよね。
素性を明かせば本土に連絡されたりとかいろいろ面倒なことになるため、とっさに主人公たちの目を欺く流れを作ったと。
でもおかしい。
本土と離島は物理的に生きて流れつけるような距離じゃないし、他にも説明のつかない事象がいろいろ起こってたらしいことが判明していく。
それがこの島の伝承である超常的な海流の影響(黄泉に繋がる的な)によるものではないか。
彼女は本当に生きてるの? ユーレイなんじゃないの?
という方向に話が膨らんでいきます。
彼女の嘘と島の伝承の2重サスペンスが絡んでくる、みたいな青春ハートフルものだったと思います。
なんでしょう、あくまで孤島の情景とか物悲しい結末を余韻にこの曲がエンドロールで流れてくれれば満足なので、正直本筋は大味で構わなかったです。
でもこうして改めて書き出してみると、まあ、陳腐ですね(悲)
ベタでも僕はこういうのが好きなんですよ!
供養になりました。ありがとうございます。
いろいろ書きましたけど、最終的に言いたかったことって、
「勢い余って創作熱まで湧き上がってしまうほど聴き惚れた曲、ありますか」
ってことです。
皆さんはそんな素敵な曲をお持ちですか。
もしくはそれに代わるエネルギー供給物とか、どんなものがありますでしょうか。
~Happy End~