表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
原付徘徊おじ☆彡  作者: 仲良しおじさん
原付徘徊の章
2/46

四国88カ所巡り その1:まずは四国へ

2018年8月



 僕が旅に出る目的って観光ではないんです。

 ただ原付に乗って無心に走り続けられれば満足なんです。

 だから具体的な目的地とかはないんですよね。

 とりあえずどっか一周してくるかって感じで行き先決めるんですよ。


 今回2週間という時間を確保できて、ちょうどよい感じに一周できそうなのどこかな? って考えて、四国行けるんじゃねと思いました。


 みなさんは“お遍路”って知っていますか?

 四国中に散りばめられている88カ所の寺だか神社だか(違いがよくわからない。さほど興味もない)に番号が付けられてて、順にお参りすると願い事が叶うらしいです。

 昔の時代の方々は命かけて巡ってたんでしょうけど、今現在もやっているのはそういうの本当に熱烈で好きな人くらいだと思います。

 または無茶やりたがる年頃の若者や自分探し中の方の限界チャレンジに体よく使われるくらいなんですかね。

 徒歩で行かれる方もなかなかいないんじゃないでしょうか。


 どうせ四国回るんだし、一緒に巡っちゃえば願い事叶うんだからお得だよな。と思ってお遍路行ってみました。

 こんなノリなんですよ。

 88の神様も迷惑だろうなって思います。



 旅の振り返りを始めるより先に、全行程が大体一発でわかる画像を載せておきます。



挿絵(By みてみん)


 僕の使っている地図アプリです。

 緑色の「A」みたいなマークが寺の位置を示しています。

 すごいビッシリで気色悪いですね。

 こんな感じです。




【前置きの話】


 今回の旅はいろんなことに初挑戦でした。

 中でも一番の挑戦は、なんと、2人旅ということ!

 孤独好き(人間嫌い)な僕がようやったと思います。

 彼は新潟に越してきて出会った友人で、僕ほどイカれた工程の旅は普段しない人なんですが、僕のイカれた話にすごく興味をもってくれました。


 もちろん彼が乗るのも50ccの原付スクーターです。

 中古で手に入れたという得体の知れないやつで、改造が施されてるのか、マフラーからすごい爆音が出ます。ブババババ!

 族かと思いました。


 あと所々が寿命を迎えていて、まずボタンでエンジンが始動しません。

 毎回キックスターター蹴り込んでエンジンかけてました。

 このエンジンも度々動かなくなるんですよ。

 旅の途中でも何回か止まって、僕らはそれを「心停止」と呼んでたんですけど、都度懸命な蘇生処置(死体蹴り)をして現生に留まらせ続けました。

※無事に帰ってこられました。でもそれから数か月で完全に逝ってしまいました。


 あとは、人生初! テントを購入しました!

 長旅で問題になるのが宿泊費用で、基本はネットカフェに寝泊まりするとしても、2週間だとかさみます。

 そこで思い切ってテントを買ってしまいました。

 大体テント泊とネカフェを半々くらいで行こう、ということにしました。


 それぞれが一人用のテントと寝袋を持って。

 でもこの時点では火鉢なんかの焚火グッズは持ってなかったです。

 四国の旅ではまだ火遊びデビューはしてません。

 素野宿でした。




【旅の始まり】


 四国一周とは言いますけど、まずそこにたどり着くまでが超遠いんですよね。

 友人は新潟から、僕は実家を経由したので神奈川からの出発となり、大阪で落ち合いました。

 そして 和歌山に南下してフェリーで徳島へ。

 ここまでで3~4日くらいかかっていますが、詳細は割愛します。



挿絵(By みてみん)


↑すでに尋常ではなくなっている移動距離。


 フェリーの乗船のときの話を少しします。

 和歌山の港で手続きしたあと、原付を積み込むために船の裏手の搬入口へ回って待機するんですよ。

 このとき雨が降っていて、広けた駐車場に野ざらしで待たされるのでちょっと大変でした。


 港の駐車場に自動車の列がずらっと並んでいて、その先頭にバイクが誘導されます。

 この便で積み込まれる二輪車は僕と友人と知らないおじさんの3台だけでした。

 おじさんは大きなバイクで、これまた大きなギタースーツを背中にしょっていました。


「このギター100万するんや」


 みたいなことを言われました。

 スゲエ。

 なにやらおじさんは四国に渡ってからライブだか演奏会に出る予定らしいです。

 気さくにお話してくれましたが、その内容より強くなる雨脚の中でおじさんのギターケースが湿っていく様子だけがただただ気掛かりでした。


 フェリーが出航すると雨も曇天に持ち直しました。

 和歌山から徳島まで数時間でしたが、ずっと甲板に出て景色を眺めました。




【祝・四国入り! 徳島へ】


 フェリーが到着して降り立った街が、もう徳島県最大の集落なんですよね。

 徳島市。

 県庁所在地。

 時刻は昼過ぎでした。


 事前に友人と話をしていて、上陸した日はとりあえず休んで翌日からお遍路始めようってことにしてました。


 なんていうか、しょっぱなから飛ばし過ぎるとなんとやらと言うじゃないですか。

 初日くらいはゆっくりしようと。

 壮大すぎる計画を目前にしてちょっとびびってはいたんだと思います。

 このときの2人にはどことなく不安感が帯びていました。


 ひとまず港のそばの定食屋で昼飯食べて、向かいのコインランドリーで洗濯して、その後は見晴らしの良さそうな場所を適当に寄りつつ市街の宿に行きました。

 雑居ビルに入ってる微妙な感じのビジホ。

 ビジホと言い張ってるけど半ネカフェみたいな微妙な宿泊施設でした。


 せっかくのテントもまだ温存ですよ。

 びびってますから。

 ちゃんと布団で眠っといた方がいいかな? いいよね? みたいな忖度はしましたよね。

 だってこれから88カ所も巡るんだし、いいじゃん。


 その晩は徳島ラーメンっていう濃い味のやつを食べたりお酒を飲んだりして、共通の知人の陰口で盛り上がってから寝ました。




~つづく~



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
リズミカルでユーモアもあり、なんたか続きが楽しみです。
[良い点] 神奈川、新潟から大阪に行くだけでも 凄いですね!! お遍路さん興味があったので、今後の旅行記が とても楽しみです(*´ω`*)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ