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原付徘徊おじ☆彡  作者: 仲良しおじさん
原付徘徊の章
15/46

対馬・車中泊の旅

2025年5月



 2025年は長崎県に移り住んで2年目になる年です。

 毎年ゴールデンウィークは旅に出掛けるんですが、去年の五島(ごとう)列島に引き続き、今年は対馬(つしま)という離島へ行ってきました!




【対馬基本情報】


挿絵(By みてみん)


 対馬は長崎県の北にある縦長の大きな島です。

 都道府県に属する離島の中では新潟の佐渡島(さどがしま)、沖縄の奄美大島(あまみおおしま)に次いで3位の面積を誇ります。

 意外にも、位置的には九州本土より韓国のプサンの方が近いそうな。

 その距離わずか50km。

 対馬から発する高速船に乗れば1時間強で韓国についてしまうそうですよ!


 日本から対馬へ向かう方法は船と飛行機とがあります。

 今回は自家用車と一緒に乗り込みたかったので船を選択し、博多港から出発しました。

 原付で行けたなら良かったんだけど、移動距離と日数との兼ね合いから断念しました。。

 まず港のある博多まで行くのに1日がかりになっちゃいますからね。




【ゴザ難民】


 今回は初手でやらかしてしまったんですけど、ギリギリまでフェリーの予約してなかったせいで良い時間帯のチケットが残ってなかったんですよね。

 唯一予約取れた航路は夜23時に博多発、そして朝方3時に対馬着という、そのあと何すんねんこれという時刻設定でした。

 これは初日は車中泊だなと腹をくくっていざフェリーに乗り込むと、想像以上の混み具合。


 そのときですね、周りの搭乗者たちがいち早く駆けだしたり、手慣れた感じで自前のシートを通路の床に広げ始めたりしました。

 実はこのフェリー、毎年シーズンになると余裕で乗船率100%を超えてしまうので、座席の確保を早々に諦めた方たちで床のスペースの陣取り合戦が繰り広げられるんですね。

 というか普通にスタッフの方が床に敷くゴザを無料で貸し出してくれます。

 公式認定難民。


 初めてこのフェリーを利用した僕はうまく事態が呑み込めず、ぼーっとしてるうちに完全に出遅れました。

 船内をぐるぐる回ってみるけど、もはや座席も、十分な広さの床スペースも無い。

 最終的にめっちゃ隅っこに膝を折って寝転がる羽目になりました。


 これまでいろんなフェリーに乗ってきたと自負していますが、ここまでの初見殺しに遭遇したのは初めてでしたね。

 やってくれんじゃん対馬よお!


 予定どおり早朝3時過ぎに島に到着し、車に乗って港を出て、少し走った先にある広い更地に適当に停めて車中泊しました。

 後部座席に寝転がってのびのび。

 僕はどんなにフカフカのベッドでも周囲に人の気配があると眠れないたちなんですが、逆にどんなに窮屈でも外界と遮断されていれば安眠できるというタイプの人間です。


 ちなみにタイトルで車中泊と釘打っていますが、3泊の日程で車内で寝たのはこの日だけでした。




【無計画海岸線ドライブ】


 下調べとかなんにもしないで対馬来てしまったので、適当にマップアプリを開いてその時の位置と気分と時間調整とで行きたいところを決める感じでした。

 我ながら適当すぎ。

 僕は景色見ながらドライブするだけで大満足派なので、ひとまず島の輪郭を描くように海岸線を走り始めました。


挿絵(By みてみん)


 やっぱ海きれー!

 抜群の透明感。

 離島はこうでなくては!


 しばらくしてふと、対馬ではところどころで水辺に神社があることに気付きました。

 土地柄なのか、鳥居の配置が独特で面白いんですよね。

 中には水面に浮かぶようにして建てられた鳥居なんかもあったりして、見慣れなさも相まって余計に神秘さを感じます。


挿絵(By みてみん)


 島の中央らへんにある和多都美(わたづみ)神社。

 僕が訪れたのは昼間でしたが、夜の月明かりで見るのもまた素敵だろうなと思いました。


 その他に印象深い場所で思い出すのは、西海岸にある小茂田(おもだ)浜です。

 唐突に話変わりますが、皆さんは『ゴースト・オブ・ツシマ』というゲームを知っていますか?

 2020年に発売されたタイトルで、侍を主人公にしたオープンワールドアクションゲームです。

 なんとそのワールドマップは対馬の地形を忠実に再現したものになっているんですね。


挿絵(By みてみん)

 PlayStation公式サイトより引用


 実は僕もこのゲームを過去にプレイしたことがあって、めっちゃ面白くて大好きなので、対馬に行くなら所縁(ゆかり)の地のひとつやふたつは見ておきたいな~と思っていたんですよ。


 史実によれば13世紀、対馬に攻め込んできたモンゴル軍とそれを迎え撃つ日本軍との激戦の舞台になったのが小茂田浜であると言われています。

 ゲームでも最序盤でプロローグ的なイベントが起こる場所になります。


 当然と言えば当然なんですが、実際に目の前にした浜辺はゲームで見たおどろおどろしさの面影なんて全然なくて、普通に潮風を浴びながらまったり佇みました。




【メシ】


 対馬の名物は何か知ってますか?

 アナゴらしいですよ。

 もちろん僕も知りませんでした。


 行ってからアナゴ食べたい! と思ったんですけど、時期も時期で有名なお店は予約満杯でした。

 そんな中ぶらりと立ち寄った回らない寿司屋さん(贅沢の極み)で運よくカウンター席に座ることができ、アナゴの握りと天ぷらをいただきました。

 うまい!

 特に天ぷらがすごくてですね、アナゴの身がプリップリなんです。

 衣サクサク、中身プリプリ。

 僕の気持ちもプリプリになりました(意味不明)。


 その他では、滞在中日(なかび)の民泊でいただいた夕飯がハイパー豪勢でした。

 普段僕の食べる量の3人前くらい出ました。

 刺身や魚のから揚げといった海の幸や、サツマイモのでんぷんで作った麺を味噌汁に入れるという郷土料理など、とても興味深く&おいしくいただきました!


挿絵(By みてみん)


 僕は旅に出るときは基本キャンプかネカフェかビジホなんですけど、最近は民泊を利用する機会が増えています。

 民泊とはいわゆる個人宅の民家が宿泊用に改装されていて、老夫婦が温かく出迎えてくれる系の宿です。

 キャパも部屋数も少ないので、場合によっては客ひとりだけとかもよくあります。

 このときも僕の貸し切りでした。


 旅館のようなフォーマルな宿泊施設とは違い、もっと距離感が近くて、良い意味で適当な雰囲気です。

 例えば今回の宿では、お手洗いに行くためにはおじいちゃんおばあちゃんがだべってる居間を素通りしなきゃいけない間取りになってて(笑)、随分アットホームだなって思いながら会釈しつつ素通りしまくりました。

 こういうところを苦手に感じるか楽しめるかで好みが変わってきそうですね。




【おそろしく商売っ気の無い島】


 対馬を一周しての感想なんですが、去年訪れた五島に比べると全然商売っ気が無くて驚きました!

 まず飲食店の数が少なすぎて困りました。

 大きめの集落ではちらほらあるけどご飯時しか開いてないし、日中に時間を潰せそうなカフェなども皆無。


 その数少ない飲食店も、

「連休にしても客来すぎでしょ。勘弁してよ」

 みたいな空気感出してる定食屋とかが普通にあって、ちょっと微笑ましかったです。

 港町では韓国の観光客をたくさん見かけたんですけど、みんなご飯時に入れる店を探してさまよってました。


 あと個人的にちょっとやばいなと思ったのが、エコの一環なのか、島として公式にレンタサイクルの貸し出し業を推してるみたいなんですね。

 でも絶景を拝める名所を巡るとなると一か所ごとに相当な距離が空くし、その道中の勾配も半端ないんですよ。

 特別自転車が通りやすいように道が整備されてるわけでもなし。


 僕は車で走ってるわけなんですけど、途方もなく続く国道をひたすらチャリ漕いでる韓国人を何人も追い越しました。

 ちょっと胸が痛くなりました。

 ここの観光協会は雑が過ぎるというか、割とえぐいことするなって思いました。




【終わりに】


 今回は車での旅となりましたが、躍起になって有名どころを巡るわけではなく、気ままなペースでまったりゆったりしてきました。

 振り返ってみると一番の思い出は、ふらっと立ち寄った岬の緑地公園で、周りに誰もいないのをいいことに芝生に寝転んで1時間くらい爆睡したことですね。


 そんなのわざわざ島でやらなくても近場の公園でやればいいじゃん、と思われるかもしれませんが、違うんですよ。

 日常と切り離された時間の中にいるからこそ、一切のしがらみを負わずに羽を伸ばしきることができるのだと思いませんか?

 ………。

 いえ、異論は全然認めます。


 ちなみに僕は旅行でビジホに泊まるときは、一か所でも多くの観光地に寄るよりも、早めにホテルにチェックインしてビデオオンデマンドで映画見まくるのが大好きです。

 ぶっちゃけ共感してくれる人は少ないと思います。




~Happy End~


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