表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の国(クリスマスランド)  作者: 内藤理恵
9/55

(9)

「あの、カレンダーおかしくないですか?」

「カレンダー、何処かおかしい?」

「2005年って」

「そうですよ、来年は2006年。ねえ、アンジェリーナそうですよね」

「うん!クリストフくん、何年だと思っていたの?」

「2019年・・・」

「アハハ!それは無いよー」

 いや、いや、確かに間違いないはずだ。やはりタイムスリプしてしまったのか。トホホ。と、いうことは4歳の僕は何をしているんだ!?またもや疑問がモクモクと浮かぶ。まあ、いいか。どうせイジメられる人生だったんだから。今を楽しもう。

「アンジェリーナちゃん、ジェンガやろうか?」

「うん、私、何時もお父さんとやるけど負けたことがないの」

「アハハ!手強そうだな」

 和気あいあいとしていると、庭からイケメンのおじさんが家に入って来た。金髪の髪がサラサラと額に掛かっている。

「あ、お父さん!」

「何!?お父さん?」

「うん、さっき、釣りしてたの見たでしょ」

 近くで見るとこの人もまだ20歳くらいに見える。不思議な島だなあ。

「君が今度、サンタイルさんの手伝いに選ばれた子かな?」

 お父さんはにこやかに縁側に腰かける。感じのいい人だ。

「ええ、そうみたいです」

 僕は頭を掻きながら答える。あっ、ジェンガが倒れてしまった。木の棒があちこちに散乱する。

「やったあ、私の勝ちだね」

「負けちゃったかー」

 僕たちは「アハハ」と笑う。ジョリイが楽しそうに庭を駆け回った。お父さんがクーラーボックス的なものに入れた魚を持ち上げる。鯛かな。それ系の魚だ。赤い鱗をしている。お母さんがエプロンで手を拭きながらやって来て魚を受け取った。

「煮魚、焼き魚、蒸し料理、何でも作りますよ。クリストフくんは何が好き?」

「僕は、煮魚かなあ」

「おっ、いいね!今日はワインが買ってあるんだ。ジョージおじさんからね。煮魚をつまみに飲もう」

 ワインなんて飲んだ事ない。当たり前か。僕は高校生なんだから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 先が楽しみ [気になる点] もっと一話の文字数を増やしてほしい
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ