表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の国(クリスマスランド)  作者: 内藤理恵
55/55

(55)

「家族で過ごさなくていいの?」

 僕はちょっと心配になって訊いた。

「うん、明日のクリスマス当日は家族で過ごすの。イブはね好きな子と過ごせって、お父さんが・・・」

 好きな子!?まさか!ここには僕しかいないぞ。いや、まさかのサンタイルさんっていうこともあり得る。僕は意味なくウンウンと頷いた。

「僕、日本のクリスマスの歌を歌います」

 そう言って、明るいクリスマスソングを歌った。そのあと皆で世界中で歌われているクリスマスソングを歌う。

「みんな好きなだけ七面鳥を食べてくださいね。1年に一度だもの」

 お母さんが白い皿に料理を取り分けながら言う。

 その日の晩、キャウスを貰った。ウサギに近いがもっと小さい。可愛い小動物だ。何故か僕の言っていることが解るらしく、「待て」と言えば大人しく餌を食べるのを待つ。サンタイルさんが言うにはゲージも要らないらしい。僕はキャウスと一緒に寝た。モフモフで心が和んだ。

 次の日に目を覚ますとパソコンが消えさっていた。神さまがアニメの代わりに持って行ったんだろう。僕は階段を下りて1階に行き、サンタイルさんと昨日の料理の残りを食べた。

「今日はね、僕からクリスマスプレゼントがあるんです」

 僕がそう言うとサンタイルさんはハテナという顔をした。僕はテレビを点ける。僕が小さな時に観たアニメが放送された。

「アニメだ!」

「サンタイルさん、日本のアニメが好きだって言ってたでしょ」

「うん、うん」

 サンタイルさんは嬉しそうに笑う。それが僕が貰う一番のクリスマスプレゼントだとつくづく思った。もし誰かに引き取られたとしても、この思い出は大事にしよう。

 終わり


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ