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クリスマスイブの日は気分が高ぶっていたのか6時に目を覚ます。明け方も何回も起きた。スマートフォンで時間を確認してから寝直したのを覚えている。6時だということを確認するとパジャマから買って貰ったセーターに着替えて窓から外を見る。外はまだ暗かった。
パソコンを立ち上げると今日も動画が流れた。今日の動画は何時もと違った。4歳の時の僕が映ったと思ったら、すぐに成長して5歳、6歳、7歳と大きくなってる。いったいどういう事だ?時が早く進んでいる。動画は僕が15歳の時まできた。同級生たちに無視され、ノートには落書きをされている。体育の時間にはわざとボールをぶつけられていた。僕は今17歳、後2年で今の歳と一致する動画が流れる。どうしたらいいんだ。神さまは何が目的でこれを見せるんだ?僕は動画を閉じた。イジメられている姿をクリスマスイブに見るなんて馬鹿げている。過去が無ければ現在は無いが、そもそも悲しい過去に何があるのかが分からない。僕はメールの受信ボックスを開いた。神さまからメールが来ていた。
『クリストフくん、動画を見たかい?辛いことを思い出させてしまったね。今日の夜パソコンを返してくれるんだろう。だから今日の日付が変わるまでにこの動画を最後まで見てくれ』
うう、17歳の僕の姿まで見ろという事か。僕は返信を打つ。
『分かりました。あの、明日アニメを放送してくれるんですよね』
『ああ、このセントジョーンズ島すべてで放送されるよ。みんでで見るといい』




