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夢の国(クリスマスランド)  作者: 内藤理恵
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 次の日は朝早く目を覚ましてしまった。パソコンを立ち上げてみる。やはり動画が始まった。僕が「うわーん、うわーん」と泣いている。つい目を背けた。お母さんが叱りつけているのが聞えてきた。

「何度も、何度も、同じこと言わせないでよ。玩具は出したら片付けなさい」

「だって、まだ、遊んでたんだよー」

「遊んでばかりね!」

 それはそうだ。4歳なのだから。お母さんはただのストレス発散で怒っているんじゃないのか。僕は動画を終了させる方法を見つけた。単純にバッテンがソフトの右上にあった。今まで動揺をしていたから気が付かなかったんだ。僕は動画を終らせてメールを立ち上げてみた。受信トレイに『神より』というメールが来ていた。神さまから!?僕は心臓がバクバクする。どんな内容なんだろう。今まで気が付かなかった。受信した日時を見ると僕がこの島に来た次の日だ。急いでメールを開く。

『クリストフくん、このセントジョーンズ島にようこそ。私がプレゼントしたパソコンは如何かな?もし要らなかったら捨ててもいいんだよ。代わりに他のものをプレゼントするよ』

 どうしよう。インターネットに通じないし嫌な動画は流れるしハッキリ言って要らないんだが折角これをくれた神さまに失礼だ。僕は返信を打ってみた。

『パソコン、有難う御座います。この島はとても素晴らしいです。みんな親切で良くして貰っています』

 返信は直ぐに返ってきた。

『そうか。そうか。お礼は私じゃなくてサンタイルに言ってくれ給え』

 サンタイルさんには感謝しているが、僕をこのセントジョーンズ島に送ってくれたのは神さまだろう。まあ、いいや。メールだけは通じるみたいだ。電話が通じるのだからあり得るか。だが、送る相手が見当もつかない。今は2005年なのだ。お母さんはメールアドレスを変えてなければ知ってるが、言いたいことが全くない。僕をいじめるなと伝えたいくらいだ。

 パソコンをシャットダウンして1階に行く。今日も仕事をして食べて寝る。明日はカレーの食材を買うから腕を振るおう。そうだ、炊飯器が無い。小麦粉でナンでも作ろうか。


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