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夢の国(クリスマスランド)  作者: 内藤理恵
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(43)

「僕は高校2年生だから、物は貰えないんですね。あの何が貰えるんですか?」

「幸せだ」

「幸せ?」

「うん、ほんのちょっとの場合もあるけどね。可愛い子に出会うとか、ニキビが無くなるとか」

 なるほど。僕も中学にあがってから幸せを貰っていたのだろうか。記憶には殆ど無い。あっ、でも懸賞が当たったことがあった。あれはクリスマスの時期だったな。僕はあれこれと考えながら仕事をする。気が付くとサンタイルさんがトナカイの散歩に行く時間になっていた。

「じゃあ、行ってくるよ。留守番を宜しくね」

 僕はウンと頷いた。

 ジョージおじさんは、また白いトラックでやって来た。雪が積もっているのに危なくないのだろうか。

「車、滑らないんですか?」

「ああ、スタッドレスの四駆だからね」

 僕は車の知識がないので分からないがジョージおじさんが大丈夫だというなら安心だ。ジョージおじさんはにこやかに言う。

「今日はスパゲッティかな?」

「はい、そうだ!カレーのルーって有ります?」

「ああ、日本から取り寄せているよ。カレーを作るのかい?」

「ええ、サンタイルさんに作ってあげたいんです」

「今日は車に積んでないから、明日になったら持って来てあげよう」

 やった!僕は小躍りする。何処のカレールーだろう。あまり辛くない物がいいな。僕の舌はお子様だ。

 ジョージおじさんとすれ違いにサンタイルさんが帰って来た。

外を確認したらまだ雪が降っていたので、そのせいかコートの肩に薄っすらと雪が積もっていた。僕はカレーが買えそうなことを告げる。サンタイルさんはニコッと笑って「クリストフくんのカレーが食べられるなんて嬉しいなあ」と言った。


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