表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の国(クリスマスランド)  作者: 内藤理恵
39/55

(39)

「待っててね、教科書を持ってくる」

 へえ!そんなものあるんだ!僕はちゃっちい机の後ろに座って鉛筆を握った。サンタイルさんは数冊の教科書を持って来た。真面目な顔をして僕の前に座る。

「何から始めようか」

「僕、数学で分からないところがあるんです。微分方程式」

「そう、それは僕にも難しいよ。一緒に解いてみよう」

 ああ、こんなことを言われたのは生まれて初めてだ。中学の時は塾に通っていたが1対1で勉強することなんかなかったし、友達と勉強したことだって無い。それでも中学2年までは遊び友達だけはいた。その友達も僕をイジメるようになった。僕たちは向かい合って数学の問題をやる。時刻は10時30分だ。まだ2時間くらいは勉強出来る。お風呂はもう済ませてある。 

 集中して勉強していると時間は早く進んだ。気が付くと12時になっていた。

「今日はこれくらいにしておこうか」

 サンタイルさんが言う。

「はい。有難う御座いました」

「明日はクリスマスプレゼントの仕分けだよ」

「頑張ります」

 僕は握りこぶしを作る。

 その晩は寝たのは1時頃になってしまった。明日は遅くまで寝ていていても構わないとサンタイルさんが言ってくれたのだがスマートフォンのアラームを7時にセットした。朝ご飯を作るのも手伝ってあげたい。

 その晩は久しぶりに夢を見た。たくさんの神さまが出て来て、僕を日本に帰したほうがいいか話し合っている夢だった。「嫌だ!帰りたくない!」と叫んでいる時にハッと目を覚ました。スマートフォンで時刻を確認したら5時だった。僕はもう一度寝直す。その後もダラダラと嫌な夢を見てしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ