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夢の国(クリスマスランド)  作者: 内藤理恵
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(35)

 お父さんは7時ちょうどに来てくれた。僕はサンドウィッチを持って家を出る。しんしんと雪が降る。道路には僕とお父さんが歩いた足跡が出来る。

 テトラポットが置いてある防波堤に行くと、まず釣りの基本を教わった。餌の付け方、竿の投げ方。魚が掛かったらどうするか。知らなかったことばかりだ。お父さんに教えて貰った通りにして待っていると「ホラ、クリストフくん、魚が餌に食いついたみたいだよ」とお父さんが言う。

「えっ」

 結局、手取り足取り教わって数匹の魚が釣れた。お父さんが頬をあげて言う。

「これだけ釣れれば上等だよ。中々、腕がいいね」

「そうですか?釣りって楽しいですね」

 僕も頬をあげて答えた。

「今日はサンタイルさんにこれを料理して貰いなさい」

「はい」

 話をしているとアンジェリーナちゃんとキャロラインちゃんがこちらに歩いてくるのが見えた。二人ともフード付きのアウターを着て温かそうな服装をしている。キャロラインちゃんの姿を見るだけで僕の胸は高鳴った。

「クリストフくん、釣れた?」

 アンジェリーナちゃんに訊かれる。

「うん、ちょっとだけどね」

「おお!」

「お父さんに教わったからね」

 僕は頬を掻く。キャロラインちゃんは「あの、クーラーボックスの中を見せてくれるかな」と言った。

「うん、もし良かったら持って帰って食べてよ」

「いいの?」

「僕はサンタイルさんの分が持って帰れればいいんだよ」

 キャロラインちゃんがぱあっと顔を明るくする。魚が好きなんだ。よし、もっと釣りを練習して今度はエイダイが釣れるように頑張ろう。それから、ますます張り切って竿を振る。気が付くと夕暮れになった。アンジェリーナちゃんとキャロラインちゃんは先に家に帰って行った。

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