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ウインナーの入ったホワイトクリームのシチューが皿に盛られた。朝に食べたパンも置いてある。僕はスプーンでシチューをすくう。口にハフハフと運び入れるとクリーミーな味わいがして無限食いが出来そうな気がした。
「クリストフくんは若いから食欲が旺盛だね」
サンタイルさんがニコニコする。違う、この島の食べ物がすべて美味しいんだ。それにサンタイルさんの料理の腕も素晴らしい。僕はシチューを3回目のお代わりをする。
「なんか、すいません、まだ働きが少ないのに」
「いいんだよ、それに午前中の働きはよく動いてくれたよ」
僕は照れ臭くなって話題を変える。
「ジョージおじさんが、僕と同じ年齢の子が居るって言ってました。名前はえーと」
カタカナの名前は覚えずらい。
「キャロラインのことかな」
サンタイルさんが可笑しそうに言う。
「そうです、キャロラインちゃん、17歳なんですよね!」
「ああ、後で紹介しよう、たぶん、まだ今は学校だ。休日も部活があるって言ってたからね」
そうか。この島にもやはり高校があるのか。僕は通わなくていいのかな。僕の考えはクリストフさんにお見通しだった。
「クリストフくんの勉強は僕が教えるよ」
「えっ!?」
「これでも大学を出てるんだ。今日は日曜日だから教えるのは無しだけどね」
勉強は好きだ。高校はイジメられていたので嫌いだったが、物を覚えたり、解いたりするのは好きだった。勿論、サッカーも好きだ。ウンウンと頷く。
「さあ、午後の仕事を始めるか!」
サンタイルさんはそう言うと赤い服を腕まくりした。程よく筋肉の付いた腕が見えた。
午後の仕事を熱中して頑張る。仕訳けたプレゼントは消えて無くなるので、どれくらい仕事をしたのか分からないが相当な量のクリスマスプレゼントを仕訳けた。赤いリボン、緑のリボン、金色と銀色の飾り。これは何処から来るのだろう。これも神さまが与えてくれた品なんだろうか。




