(21)
「そうだった、そうだった、この仕事をしていると曜日の感覚がなくなるんだよ」
ジョージおじさんが笑いながら言う。
「ねえ、クリストフくん、今晩も家に来る?」
えっ、また行っていいの?僕はアンジェリーナちゃんを凝視した。
「お父さんがね、午前中に大きな魚を釣ってきたの」
「サンタイルさんも?」
僕は訊く。
「勿論。ジョージおじさんも来れたらいいのにね」
「ああ、でも夜は仕事だからなあ」
「日曜日まで仕事じゃ大変だね」
確かにそうだ。でもみんなジョージおじさんを頼っているみたいだ。この人がいなければ食事も出来ない。しかも今日のお昼ご飯はシチューだし。夜もまたご馳走が食べられる。
「これから、クリストフくんと同じ高校生の子がいる家に野菜を持って行くよ。キャロラインっていう可愛い女の子がいる家だ。確か高校2年生っていったかな」
それは昨日サンタイルさんが言っていた子だろうか。確か同じ年の子が居るって言っていた。ジョージおじさんは無精髭を撫でる。
「カッコいい、サムライが来たって伝えておくよ」
「サムライ?」
「ハハハ、日本から来たんだろう?」
そうか、忍者と言われないだけ良かった。日本と言えばサムライ、忍者、寿司、天ぷらだろうから。
「ワン」
何時のまにかジョリイも来ていた。また勝手に抜け出して来たんだな。でもジョリイは人に噛みついたり吠えかかったりしないと聞いた。
「ジョリイ、今日も来る?」
アンジェリーナちゃんが訊く。
「ワン」
平和な島だな。僕はずっとここに居たいと思った。何処かに行きたいと願って良かった。




