明かされる過去3
そういえばこの季節は
卒業シーズンですね!学生の皆様、ご卒業おめでとうございます!!
俺は…徐々に意識が戻りゆっくりと目を開けていった…
すると…目の前には…大きなくぼみの様な円形状の大穴が俺を中心に村全体を覆うかのような規模で空いていた…
「村は?…父さん?…母さん?…ルフレ?…アルバート?…どこなの?…みんな…うああああ!!」
俺は心の底から叫び、叫び…叫び続けた…
だが、周りには人影は愚か建設物の影すらもなく、残っていたのは…元々何かの建築物の一部だった様な原形をとどめていないガレキが転がっており…
その中には黒く焦げた人間の様なモノや村に侵入してきた魔獣の様なモノが混ざっていた…
だが、今の俺にはその死骸を目の当たりにしても…興味を示さず生存確率がほぼ皆無の家族の皆を必死に探し続けていた。
「父さん!…母さん!ルフレ!…アルバート!…」
俺はガレキをどかしながら瞳から滝の様な水を流し必死に家族の名前を叫んび…
微かな希望を胸に…探し続けた。
だが…いくら探しても家族は当然の事、原形がしっかりと残っているモノは存在しなかった。
「どうして…どうしてこんなことに…」
俺は目から水を流しながら自分の悔しさと情けなさで歯を食いしばり地面を勢いよく叩いた。
「それは、君が仕出かしたモノの対価みたいな物だ」
不意に後ろから声を掛けられた事に…驚きのあまり勢い良く振り向いた…
だが、俺の後ろに立っていた者は黒色のフード付きマントを着ており、顔は見られないように完全に覆い隠されていた。
そんなマント姿の存在の言葉は…
(まるで…)
「どういう事だ!…」
俺は叫ぶように声を出し、マントの存在に聞き返した
(まるで!…俺が…この村を!家族を!)
「君がここにいたすべての人間や魔獣、植物や建築物…すべて…君が壊したのだよ」
マント姿の存在の顔は見えないがニヤリとしたような表情をしている姿が脳裏に浮かんだ。
だが、そんなことなど気にしている事などできないくらい目の前の存在が発した言葉に俺は動揺を隠しきれなかった。
「まさか…俺が?…俺がやったと言うのか?…」
俺はこんな無残で悲しい現実を受け止める事は出来ずに未だに現実逃避を続けてしまっていた。
「事実から逃げるのは一向に構わないが…ずっとそうやっている気か?君の力をもっと伸ばしてみたくはないか?どうせ、君には行く当てなどないのだろうが…選ぶのは君だ、ここで決めてくれ。私と共に来て力を手にするか…ここでこのまま現実から逃げ続けたまま死ぬか…選べ」
(あの憎らしい!…魔獣共を!ぶっ殺せるのなら!!受けてやる!どれだけ厳しいモノがあろうとも!乗り越えて!強くなってやる!!)
「…ああ、いいぜ…その誘いに乗った。これからどうすればいい?…」
俺は自分のせいではなく魔獣のせいで村人や家族が死んだと自分に言い聞かせ、その原因を容赦なく無慈悲に残酷に…殺すために決意した…
「いい目をしているな…その抱いた思いを忘れるな。その恨みの心で人は強くなる」
目の前の存在は又しても口元がニヤリと笑ったようだった。
それから俺はそのマントの後ろを付いて行くように森の中を歩き地下への入り口と言わんばかりの場所に辿り着いた。
「そう言えば君の名前をまだ聞いていなかったな、私はバズス、君は?」
「俺はニコラス・エリックだ、それよりなんなんだここは」
俺はマント野郎の名前より目の前の入り口の情報の方が遥かに知りたいと心の中で少し思ってしまった。
「そうか、君はエリックって言うのか。それじゃぁいってらっしゃい」
「あ?」
バズスが喋り終えると急に俺が宙に浮き…そのまま地下へと勢い良く放り投げられた。
つまりは…
目が覚めたら、自分を中心として周りがクレーターの様になっていたって事ですね