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剣術学校の赤点候補生  作者: 暁 皇成
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長期休業8

花粉症じゃないと信じていましたが…

さすがにつらくなってきました…

俺とアメリアは戦闘があった場所から少し離れ、森の中で2人きりになってしまった。


「剣士長様すごかったね…」


アメリアは先程起きた山賊撃退の事を話題に出してきた


「ああ、そうだな。後ろの敵を倒していたなんてな…正直俺には見えなかった」


「私も、本当にビックリした…気が付いたら後ろの山賊さん達が倒れてて…本当にすごかった…」


どうやら、語彙力が無くなってしまったアメリアはとりあえず自分が驚いたことを言いたかったのだろうと俺は理解した。


(ミーナのおかげで、剣士長が俺達の後ろにいた山賊達も倒した…みたいになってくれている…ようだな)


「剣士長もすごかったのだが、ミーナの方がすごいぞ」


「そうだよね…あの剣士長様より強いなんて…さすがはミーナ様!…」


ミーナの話でテンションが上がっていたアメリアだが、急に静かになり口を開き始めた。


「エリック君1つ聞きたい事があるんだけど…さっきミーナ様が口にしていた事なんだけどね…」


(ミーナが口にした言葉か…俺を止める時に言い放っていた言葉だな…)


「やっぱり、エリック君って…王位継承者だったりするのかな?…」


アメリアは核心をついたような質問をしてきた。


「なぜ、俺がその王位継承者だと思ったのか理由を聞きたい」


俺はアメリアの質問が間違えているにせよ、こういう考えに行きついてしまったのかを知りたかった。


「山賊さんたちが汚い視線を送ってきたときにエリック君が何かをしようとしていた時に、ミーナ様がエリック君のしようとしている何かを隠そうとして止めたように見えて…

それで、ミーナ様と親しげに話していて…剣士長様とも、いつもと変わらない口調だったから…その二人と同等かそれ以上の立場に立っているのかなって…それってつまり、王族の方しかいないのかなって…思って…」




「違いますわ、王位継承者ではなく…エリックはただのイチ学生ですわ。

それにですの、ジェイコブ剣士長にいつも通りの口調で話しているのはですね、エリックには礼儀が足りないだけですわ」


(間違ってはいないが…すごい言われ様だな…)


俺はミーナの言葉で少し傷ついたが…ミーナのおかげで助かったので今回は口を開かず黙り…話には加わらず、ただ聞くだけの傍聴者としてこの場にいることにした。


「ミ、ミーナ様…ですが、エリック君はそんなに礼儀知らずだとは…」


アメリアは俺が礼儀知らずだと信じられないようなので、俺は傍聴者を辞め証言者になった。


「アメリア…ミーナの言っている事は正しい」


俺の発言を聞いた瞬間アメリアは驚きの顔を見せてきた。


「…エリック君自信が言うのでしたら…私は何もいう事はありません。すみませんでした…ミーナ様」


(アメリアがミーナに意見をするなんて…珍しい事もあるもんだな)


「いいのですよアメリアさん、エリックの事が大切なのでしょう?」


ミーナはアメリアを茶化すように質問をなげかけていた


「そ、そういう訳じゃ…」


アメリアはその質問に答えようとしていたが段々と顔が赤くなり下を向き始めた。





そこで不意に俺はある事に気が付いた


「ミーナ、ジェイコブ剣士長の姿が見当たらないようだが?…」


「ジェイコブ剣士長でしたら、一度王都に帰り…捕まえました山賊の輸送をしますので…そのための人材を連れて来ると言っておりまして、そのまま王都へ私の馬に乗り向かってしまわれましたの」


ミーナは困りましたわと言うような顔をしながら言葉を発していた。


「それなら、ジェイコブ剣士長が戻ってくるまで山賊を見張っていないといけないな」


「そうですわね、そうするしかないようですわね」


ミーナが了解の意を示した後にアメリアもコクリと頷き、二人の了承を得ることが出来た。


「山賊達を見張っているだけだと、時間が無駄だ。だからどうだ?ここで一夜を明かすのは」


「そうですわね、時間も時間で、ちょうどいいかもしれませんわね」


ミーナは俺の提案に再び乗ってくれたようだった。

アメリア…エリックのためなら必死になれるのか!

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