長期休業
新しい章が始まりました!
「エリック君!無事でよかった…」
俺が剣士長と森を出ると同じ班の生徒達が俺の方を見ていた。
「すまない、変わった植物が目についてな」
俺は息を吸うように嘘を付いた。
「そ、そうなんだ…」
アメリアは苦笑いを浮かべながら俺を見ていた
(俺の嘘がバレたか?…)
「それは、どんな植物だったの?」
(バレていなかったようだな)
合同訓練が終わり、次の日…
授業がすべて終えた後に担任の先生から話が合あった。
「合同訓練も終わり、お前たちはこの頃忙しかった事だろう。そんなお前たちには校長先生の配慮で長期休業することになった」
「先生それはうれしいのですが…他のクラスと差がついてしまうのではないでしょうか?」
男子生徒が、先生に自分達だけ休んでしまうと他のクラスとの差が開いてしまうのではないかと懸念したように質問していた。
「その質問はもっともだ、だが安心しろ…学校全体での休業となる。
自分達が頑張って手に入れた長期休業なのに…なぜ他のクラスも休みなんだ…と言う生徒もいるかもしれないがこれは仕方ない処置だ。
それに、当然休みの日に練習してはいけないと言う義務はない。
この長期休業が気に食わない生徒は家で練習にはげんでくれ」
先生はあくまでも休みをどう使うかは自分次第と言ったような感じで話をしていた。
「それでは先生、長期休業はどのくらいなのでしょうか」
「それはだな、1週間だ」
その言葉を聞いていた生徒は驚く者が大半だった。
「そ、そんなに休みをもらって良いものなのでしょうか…」
男子生徒が心配になり再び聞き直した。
「ああ、これはもう決まったことだ、この休みの期間を好きに使ってくれ」
先生はその言葉を残し教室を後にした。
先生が出て行くのを見計らってアメリアが俺に接近してきた
「エリック君、少しいいかな?」
先生が居なくなり他の生徒はチラホラと帰り始めている中、話しかけてきた
「どうした?」
「この急な長期休業って…カルロス君のためなのかなって…」
アメリアはこんなにも長い休みには意味があると思ったのか、難しそうな顔をして考えているようだった
「その事か、帰りながら話さないか?」
俺はここで話すには長くなりすぎる話題だと判断し帰る事を提案した。
「そうだね、一緒に…帰ろ?…」
俺はアメリアの言葉を聞き席を立った。
「それで…さっきの話なんだけど…」
アメリアは俺の隣を歩きながら先程の話題を出してきた。
「こんな長い休みになったのはカルロスが原因ではないか?と言う話であってるか?」
俺は確認のために隣のアメリアを見た
「そこまで言ってないけど…そうじゃないのかなーって…」
アメリアの顔は苦笑いを浮かべていた。
「そうだな十中八九カルロスが原因だと俺も思っている。
あいつは合同訓練で命に別状はないと言え…ケガをしたんだ。
ケガが治るまで剣を持てないのが普通だ、だからこそカルロスへの学校側の配慮なのだろう…」
俺はアメリアが考えていた事を肯定した。
「やっぱりそうだよね…だよね…」
「どうかしたか?」
アメリアが段々と声が小さくなっていくのを感じ、俺は声を掛けた
「エリック君…明日空いてる?…」
「何かするのか?」
俺は空いてるかどうか答える前に何をするのか尋ねた。
「カルデア村のゾノンさんの所に行こうと思ってて…一緒にどうかなって…」
それは森を横断して山のふもとにある小さな村の事で、有名な鍛冶師ゾノンが居る村だった。
(俺に話しかけたのはこっちが本題だったのか)
俺は特に予定がなかったため断る理由もなく、俺はアメリアと一緒に行くことにした。
「そうだな、俺も武器を見ておきたいしな」
(そう言えば、剣士長の剣はまだ予備を使っていると聞いたな…この際だ、連れて行くか)
「アメリア、1つお願いがある…カルデア村には俺以外の人が着いてきてもいいか?」
「それは、いいけど…怖くない人がいいな…」
アメリアには迷惑を掛けるが、剣士長の剣を壊してしまったのだ…弁償しなければならないだろう。
「それは安心してくれ俺が保証する」
「エリック君が言うなら…わかったよ…信じる」
新しい展開になってきましたー!