合同訓練11
今日で合同訓練編は終わると思います。
多分…終わると思います。
今まで見てくださってくれていた、方々…
本当にありがとうございます!
「おまたせしました、みなさん」
声のした方向をみんなが一斉に振り向いた。
「本来なら1人でも戦闘不能になった時点で実戦訓練は中止なのですが…今回は合同訓練ですので滅多にない経験をしていることと言うことでカルロス君が不在のまま実戦訓練を続けさせていただきます。それと、他にケガを負ったなど負傷した方は言ってください」
剣士長はカルロスを森の入り口に待機している兵士達に預け、戻ってきたようだった。
「剣士長様、カルロスがいない分の魔法士を守る盾が1枚いなくなったわけですが、その分の補充は無しで1人欠けた状態でやる…と言う事ですか?」
ハンクの質問はもっともなモノだった
「そうですね…私が代わりに出ても良いのですが…それでは、練習になりませんからね…申し訳ないのですが、このまま続けてもらうしかないようですね…」
剣士長は困った顔をしながら一瞬俺の顔を見てきた。
(俺は何も口出しはしないぞ…)
俺の事を見てきた剣士長だったが俺が何も口にしないと分かったのか、諦めたように口を開いた
「それでは、私は先ほどのように後ろで見守っていますが何かありましたらすぐに駆け付けますのでご安心ください。それでは」
剣士長は先ほどと同様に後方にさがり姿を消した。
「エリック君…私たちだけでいけるかな…」
剣士長が居なくなり、アメリアが心配そうに話しかけてきた。
すると、ハンクが俺達の話を聞いていたのか、その話に入ってきた
「剣士長様があのようにおっしゃっていたのですし、やるしかないですね。
それに…実際の戦闘ではこういう事はかなり多くひんぱんに起こるようですので、将来兵士になるための第一歩と考えれば行ける気がしてきますね」
「うん、そうだね…」
アメリアは急に話に入られて驚いた様子で返事をしていた。
「アメリアさん」
「は、はい」
そしてアメリアは再び話しかけられモテ期が到来しているようだった
「カルロス君の次に強いんだからお願いね?」
話しかけたレティシアが自分は実力がないから実力のあるアメリアに丸投げするような発言を口にしてきていた。
「レティシアさん…も、一緒にがんばろうね」
アメリアは丸投げされたことに気がついていないのか…レティシアが単にアメリアを頼って来ただけだと勘違いしているようだった。
「アメリアさん…分かったわ、私もできるだけやるわよ…」
レティシアはアメリアの天然に押されるようにして了承してしまっていた。
それから俺らは森の中を歩き回り魔物を探した。
だが、魔物の姿はなかった。
「みんなさん、お疲れ様です」
そんな時後ろから声を掛けられ、皆が一斉に後ろを振り向いた。
そこには困ったような顔をしている剣士長が立っていた
「あれから1体も魔物に遭遇しませんでしたね…本当でしたら喜んでも良い事なのですが…これでは、練習にもなりませんでしたね…まだ訓練を続けたい気持ちもあるかと思いますが、もうすぐ日が暮れてしまいますので…入り口まで戻りましょ」
剣士長のその言葉を聞き皆は歩き疲れた表情をしながらも実戦訓練を続けたいような顔をしていた。
「わかりました…日が暮れてしまった森は、魔物が狂暴化すると聞いたことがありますので、惜しいですが戻るとします」
ハンクは俺達を代表して戻る事に決めてくれたよだった。
俺達は実戦訓練の終了時刻となり森の入り口を目指す事になった。
俺はみんなの最後尾をただ付いていくだけだったが、段々と歩くスピードを弱め他のみんなが見えなくなるまで離れたとこで俺は剣を手に取り勢いよく後方にある
木へ投げつけた。
ガサガサッ!
木が揺れる音と共に木から何かが落ちていくモノがあった。
(人か?…)
「いててて…急に投げてくるなんて!危ないではないか!」
木から落下してきた人物は幼い少女のような声で怒っている様子だった。
「マリア魔法士長…か?…何故、ここに?」
その幼い声の正体は俺も一度は会ったことのある現魔法士長だった。
「ずっと後ろに付いてきて誰かが1人になるのを待って襲いにかかってくる魔物かと思ったのだが…」
俺は木の上に居たのは魔法士長だとは、思いもよらない存在だった。
「誰が魔物だ!まったく~!この頃の若者は容赦がない!」
次章もご愛読の程よろしくお願いします!