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剣術学校の赤点候補生  作者: 暁 皇成
60/78

合同訓練10

もう少しで!目標だった!

ブックマーク登録者数100人行きそうです!

カルロスは魔獣の攻撃に対応できずに体で攻撃を受けてしまった…


そして、その場に倒れこんでしまった。


「カルロス君!」


班員のエカテリーナがカルロスが倒れたのを見てカルロスの名前を叫んだ。


次の瞬間にはエカテリーナは未だカルロスの前にいる魔獣の事など見ていないかの様に倒れたカルロスに向かって駆け出した。




駆け出して行ったエカテリーナだったがその魔獣は接近してくるエカテリーナの存在に気が付き、勢いよく飛びついた。


エカテリーナがやっとこのタイミングで飛びついて来ている魔獣の存在に気が付ついた。


「あ…」


だが、気がつくのが遅すぎた。


エカテリーナの口から出たその短い言葉は自分の死を覚悟したかような声だった。


俺はとっさに右手を魔獣の方へ向け、魔法を放とうした…


すると、後方の木が揺れたのを感じ取り…


俺は魔法を撃たずに手をそっとおろした。





その瞬間…


エカテリーナに飛んできていた魔獣は真っ二つに斬られ、地面に転がっていった。


その無残にも斬られた魔獣の目の前には剣士長が立っていた。


「大丈夫ですか?ケガはありませんか?」


飛びついてきた魔獣に驚き尻もちをついてしまっていたエカテリーナに剣士長が手を差し伸べながら声を掛けた。


「…はい…」


エカテリーナは小さな声で返事を返し、差し伸べられた手を掴み、勢いよく立ち上がった。


エカテリーナのその姿は九死に一生を得たようなモノだった。


(これこそが、国民を守る兵士か…)


心の中で俺はかっこいい兵士は、この事を指すのだな…と思い、こんな兵士になりたいというような憧れを抱きそうになってしまった。


「そうですか、ならよかったです」


「わ…わたしより、カルロス君は?…」


エカテリーナは自分の事よりカルロスの事が気になるようだった。


その言葉を聞き剣士長は歩いてカルロスのキズを見に行った


「大丈夫ですよ、そこまで深い傷ではないようです」


「で、でも…血がいっぱいでてますよ…本当に大丈夫なのですか?!」


エカテリーナは剣士長の言葉が信用できないのか威圧的に聞き直した。


「わかりました。そこまで心配でしたら、私が森の入り口付近で待機している兵士達の所へ連れて行きます。

その間、危険ですのでこの場所から決して離れず、できるだけ戦闘はさけてください」


剣士長は生徒達の返事を聞かずにカルロスをお姫様を抱えるかのように持ち、

そのまま森の入り口を目指しその姿を消した。


「カルロス君…」


エカテリーナはカルロスを抱えて行った剣士長のうしろ姿を見ながら両手を組み神に祈るかのようにして、小声で口にしていた。






俺達はやる事もなくなり、急に疲れがドッと出て来たのか皆が木を背にして座り始めた。


そんなみんなが座りこんでいる時に俺は不意に俺に近づいてくる存在を察知した。


「エリック君…どうしてカルロス君はあんなことしたのかな?…」


その存在はアメリアだった。


アメリアが何か困った顔をして俺に話しかけてきいたのだ。


「あんな事とは?」


俺は何の事かは分かっていたが間違えているといけないので、分からないフリをして聞き直した。


「カルロス君の事を守ろうとしたのに…無理矢理どかして来たり…それに、魔法士学校の生徒さんの魔法までも邪魔して…カルロス君は何がしたかったのかな…」


アメリアは、あの時どうしたら良いのか分からないと言ったような感じだった。


「そういう事か…多分だが、カルロスは自分1人で魔獣を倒せると証明したかったんじゃないか?」


「それは…どうして?…みんなで協力して倒せばいいのに…」


「アメリア、少し考えてほしい…

自分が兵士になるのが夢として、憧れの剣士長が自分たちの事を見ているこの合同訓練で、1人で魔獣を倒せたとしたら…

それは、兵士のトップに立つ剣士長から期待されるに違いない…

カルロスは将来兵士になるうえで良い所を見せたかったのだろう」


俺はアメリアに分かりやすいように説明した


(カルロスのやり方では、逆効果だな…)

剣士長強すぎですな

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