合同訓練7
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行けそうです!ありがとうございます!
俺達は10人1組の班が決まり森へ向かうことになった。
「また、一緒の班だね。エリック君…」
俺の隣を歩いていたアメリアは少し緊張しているのか、静かに話しかけてきた。
「そうだな、アメリアが居ると安心だ。それに、今回は1班に1人現役の兵士が付くらしいから、さらに安心だな」
(前回…あんなことがあったからな…少し怖いのだろう)
俺はアメリアを安心させるために現役の兵士がいる事を強調して伝えた。
「そうだね、現役の兵士が居る事も安心だけど…エリック君が居る事が1番安心だな…」
アメリアは自分で言ってて恥ずかしくなったのか顔が少し赤くなっていた。
「俺は何の役に立てないし、足を引っ張るだけなんだがな…」
俺は変な期待をされても困ると思い、自分の評価を自分で下げる事にした。
「そんな、事ないよ…それに、いざとなった時は私が守るからね!」
アメリアは自信満々に俺を守ると言い張った
「それは、頼もしいな」
(変に緊張すると本来の実力が出せないからな…これで少しは良くなったな)
先程よりもアメリアの顔は明るく、緊張が解けた様子だった。
そして、
俺達はレバノン大森林が近くなったところで森の入り口付近に数人の鎧を着た兵士が居た。
その兵士達は俺達に気が付いたのか、こちらを見てきていた。
「お久しぶりです、ハリー元魔法士長」
こちらを見てきていた兵士達の中に、誰もが知っている有名人物が存在していた。
「おお、久しいですな!ジェイコブ剣士長」
頭を下げて挨拶をしてきた剣士長に対して元魔法士長は軽く挨拶を交わす程度だった。
「こちらの方達が今回合同訓練をする生徒さん達ですか?」
ジェイコブ剣士長は確認のために質問をしてきた。
剣士長の質問を元魔法士長が口を開いて応えようとしていた。
「そうですぞ、この生徒達の中には将来有望な人材がたくさんおり、それに今の時点ですごい生徒も…おる」
ハリー先生は喋っている途中で俺の方を一瞬…チラリと見てきた。
その一瞬の隙を見逃さず剣士長はハリー先生がチラ見した方向に目を動かした。
そして、俺を見つけたのかニッコリと笑いかけてきた。
「ハリー元魔法士長の言う通りですね、私が見渡した限りすごい人が居るのが見てわかりますね」
そんな有名人同士で話している内容を聞いていたカルロスは、何を思ったのか胸を張って立っていた。
(もしかして、自分の事を言われていると思っているのか?…)
俺はカルロスの実力なら確かに褒められてもおかしくはないと思ったが、剣を持っていない状態で強さが分かるほどカルロスには実力がない。
ならば、有名人達の話に出てきたすごい人とは…
(十中八九…俺だろうな…)
俺は有名人2人とは以前、バクドムンド王の御前で拝見したことがあり、その時は魔王を倒した報告のために来たため、武器を持たずとも俺達の強さは見て感じ取れたはずだ。
だからこそ、見ただけで実力があると判断できるのは俺だけだと推測した訳だ。
「班は決まっているのですよね?それで、私たちはその班に何かあった時には率先して守る。これで間違いないですか?」
任務内容の中を間違えがないか確認をしてきた
「そういう事ですな」
ハリー先生は間違えはないと言っているように肯定した
「簡単な護衛任務ですね」
剣士長は俺達の護衛任務を甘く見ているのか…
はたまた、俺達を安心させるために言ってくれたのかは、俺にはわからなかった。
「それでは、兵士達の配属先の班を発表しますので、生徒達は先ほど作った10人1組の班を作って整列してくださいね」
ハリー先生の優しい言葉で俺達生徒は魔法士学校で作られた班で集まり、整列した。
「それでは、配属先を言っていきますね」
ハリー先生は片手に紙を持ち…その紙を見ながら、どの班にどの現役の兵士を付けるかを口にしていった。
そして、俺達の班は最後まで呼ばれていなかったが…
現役の兵士が1班に1人付くようになっているが…
なんと、
その現役の兵士はジェイコブ剣士長だった。
残り物には、福がある。