体育祭12
体育祭編は今日で終わりです!
俺達は地面に綱が置いてある場所まで移動して、その場でしゃがみ綱を持った。
俺達は審判係の先生の競技開始の合図を待った。
「みんな、準備はできているか?」
審判係の先生は俺たち1人1人の顔を見てから再び口を開いた
「それでは!はじめ!」
その掛け声を待っていた俺達は一斉に立ち上がり、綱を持ち思い思いに引っ張っていった。
俺達クラスは出だしは好調で他のクラスと比べても優勢の状況になっていた
「「せーの!せーの!せーの!」」
掛け声に合わせて他のクラスも引っ張っていき…
段々と俺達が引き戻されていくような感覚を感じとった。
そして、その感覚は気のせいではなく実際に俺達クラスは引っ張られて行っていたのだ。
「ク…」
俺の後ろの生徒が綱を引っ張りながら、苦しいのか口から悲痛な叫びが漏れでていた。
そんな苦しい中さらに追い打ちをかけるように綱がどんどん引っ張られていった。
「「うおおおおお!!」」
クラスメイトが頑張っているときに俺は観客の中にある人物を目にした。
その人物はフードを深くかぶり、まるで他の人に顔を見られないようにしているかのような存在が、こちらをジット熱いまなざしで見つめてきていた。
(あれは…)
俺はあの人物の目をどこかで見たことがあると思い頭をフル回転させた。
俺がそんな事に夢中になっている間、俺は考えるのに必死で無意識に綱を少し強めに掴んでしまっていた…
生徒達は必死に綱を引っ張っていたが、ビクとも動かなくなってしまい驚きの顔をしていたが…
それでもなお、綱を引っ張ている生徒達全員は驚いたような顔をしながらも必死に綱を引っ張り続けていた。
さらに、周囲にいた生徒達はその異変に気が付いたのか俺を見ながらなにかを話し合っているようだった。
そんな周囲の目線で俺はようやく何が起きているのか、理解した…
そして、俺はとっさに綱から手を放した。
(やらかした…)
俺はフードを被った人物の事を考えすぎたと自覚し、反省した。
すると、俺が急に綱から手を放したせいか…
敵の2クラスが全員しりもちをついてしまっていた。
そして、3クラス対抗3本綱引きは…
相手がしりもちを付いたおかげで最後まで綱を引っ張ていた俺を除くBクラスの生徒達のおかげで、俺達クラスの勝ちとなった。
綱引きをしていた生徒達はその場から離れ、どこかへ消えていくようにいなくなっていった。
試合が終わった今でも所々で俺の顔を見て噂をしている生徒がチラホラ見えてきた。
だが、俺の噂をしている生徒達を完全に無視し、俺はフードを被った人物を追いかけ校舎の裏へ向かった。
俺はフードを被った人物の後姿を捉えた時
急に話しかけられた
「もう、気づいてしまわれましたの?…」
その声は綺麗な女性の声だった。
そして、その声で俺はフードを被った人物が誰なのか理解した
「やはり、ミーナか…」
「はい…おこっていますの?…」
ミーナは俺の顔お色を窺うかのように、俺の顔を下から覗き見てきた。
「少しな…だがそれは、ミーナへのただの八つ当たりだ。気にする必要はない」
俺は口を開きミーナは悪くないと答えた
「そうですのね…それより、エリック?体育祭の途中から姿が見えなかったですわ…何をしていたのですの?」
「バクドムンド王からの命令で、レバノン大森林に行っていた」
「それは、どういう事ですの?」
ミーナは訳が分からないと言ったような顔をしていた。
すると、ミーナの質問に急に現れた校長先生が答えた
「ミーナ様それは、私から説明します。エリック君はまだ閉会式が残っていますから先に戻ってください」
俺は校長先生に頷き、グラウンドに足を向けて歩き出した。
しばらく歩いてから不意に後ろから声を掛けられた
「居た…エリック君…先生が閉会式をやるから戻って来てって…」
俺はゆっくりと後ろを向き誰が発言をしたのか確認した後、口を開いた
「ああ、わかった…ありがとうアメリア」
グラウンドに向かっている最中にアメリアと会い、一緒に戻ることにした。
「校長先生はお忙しくて来れないようなので代わりに私が閉会式を行います」
閉会式を行うと言った先生は一呼吸置いた後再び口を開けた
「今回この体育祭で優勝したクラスは…」
明日の投稿は新しい章へ入っていきますので、これからも!よろしくお願いします!