体育祭2
ブックマーク登録者数60人いきました!
ありがとうございます!
これからも!頑張っていきたいと思います!
「そっか…エリック君ではないのですね…」
アメリアは明らかに気を落とした様子だった。
「すまない、俺がもっとしっかりしていれば…」
「そ!そういう意味で言ったわけじゃ全然!ないの…ごめんなさい…」
アメリアは急に慌てふためき、謝罪の言葉を口にした。
「アメリアが謝る必要はない、どちらかと言うと感謝される側だぞ。アメリアは命懸けで俺達を守ろうとしてくれたんだ…感謝される事はあるが憎まれることなど何1つないだろ?」
俺は遠回しにアメリアを褒めた。
「でも…私…口だけで…実際はなにもできなくて…寝ている間に誰かがやってくれなければ…私は…死んでいたと思うの…」
アメリアは真剣な顔で自分の無力さを感じていた。
(力ある者は誰かを救え、力無き者は誰も救えず…か…)
俺は昔誰かが言っていたような台詞が頭の中をよぎった。
「アメリア、今言っていた事はすべて想像に想像をかさねた妄言だ。そんなものをあてにはするな…事実は1つだけだ、アメリアが俺達を逃がすために命懸けでかばった…これは揺るがない事実であり、誰かが魔物を倒したのも事実だ。そのおかげで俺達も助かった。言っている事はわかるな?」
俺はこれ以上アメリアに詮索されないように話を持って行った。
「エリック君って…やっぱ、すごいね。そんな考え方ができるって。ありがと…エリック君」
アメリアは少し元気がでたのか硬くなっていた表情が少しずつ和らいでいった。
(人のために命を張れる勇敢な人間なんてめったにいるものではない。誇っていいんだぞ、アメリア)
俺は心の中でアメリアをべた褒めしていた。
すると、森の中から1人兵士が出てきた
「おお!起きていましたか!」
そして、小走りでこちらに向かってきた
「お目覚めはどうですか?どこか調子が悪いところはありますか?」
そう言いながら兵士はメモとペンを取り出し聞き取りをおこなおうとしていた。
そんな兵士を不思議そうな目で見ていたアメリアに気が付いたのか兵士は口を開いた
「ああ、これですか?すみませんね、上級魔獣が出たと上の方に報告しないといけないもので。襲われた方々にケガがないか…異常がないか調べさせてもらいますね」
兵士の話を聞いていたアメリアは不思議に思った事があったのか勢いよく喋りだした
「私たちが出会った!あの魔獣は…上級魔獣だったのですか!?」
アメリアは驚きをあらわにしてしまっていた。
「ええ、あんな恐ろしい魔獣に出会ったのによく生きていられましたね。もしよろしければ、どうなったのかお聞きしてもよろしいですか?」
「それは、構いませんけど…なにもお伝えすることはありませんよ?」
俺は眠らされていたという事なのでなにも答えられるものはないと伝えた。
「それは、どういう意味ですか?」
兵士は訳が分からない顔をしていた。
「私たちは、魔獣が現れた時に急に…意識が遠のいたのです…」
アメリアが俺の代わりに答えてくれた
「と、いいますと?」
「気が付いたらテントの中で寝ていたという事です」
俺はこれだけが事実と言ったような言い方をした。
(聞き取りは仕方ないが、易々と情報を流す訳にはいかない)
「なるほど…なにもおぼえていないと…わかりました。まだ、生徒の方々が集まるのに時間がかかりますので、お体をお休めください」
俺とアメリアは頷き、
それを確認した兵士は森の中へ戻っていった。
「テントへ戻るか」
俺はそう提案し、先にテントの中へ戻っていった。
その後、兵士が呼びにきてくれ、そのまま学校へ向かっていった。
学校へ着き、そのまま各自解散という流れとなった。