入学2
ここら辺の物語。
個人的に好きです。
「確かその話は、英雄最強は魔法使いだった気がしたのですけど…」
ふぅと校長先生が一呼吸したあとに校長先生がまた話し始めた
「私が手にした情報が間違っているのですか?それとも…本当に、剣技もお上手なのですか?…」
恐る恐ると言ったような感じで校長先生は俺の顔を窺ってきた。
だが、俺は…
(英雄だから何でもできる。やれて当たり前…などと、思われるのは俺の好むところではない…)
「俺は剣を持ったことはない。ましてや、剣を振るったことなどあるはずがない…期待はずれで…すまない…」
「そんな!あの邪悪な魔王を倒してくださっただけで素晴らしいのです!ですから、期待外れなど…」
「そうよ!エリックは!すごいんですわよ!剣を持たないのは剣を持つ必要がないからですわよ!エリックはこのままでも私たち英雄の中でもトップなんですわ!だから、期待外れなんて!ありえないわ!逆に規格外ですわ!もちろん!いい意味で!ですわよ!」
俺の言葉聞いていた校長先生はとっさに俺の事をフォローしようとしたが…
ミーナが俺の事になったとたん熱心に語りだしたため。
校長先生のフォローは無残にもきえた。
「ミーナ。ありがとう…」
「エリック!いいのですよ!当然の事ですわ!」
私もも言ったのですが…と、
校長先生がボソボソと呟いていた。
だが、そんなことは俺に聞こえるはずもなく…
「ゴホン、話を戻しても構わないかの?」
ガモフの問いに誰も異論の声は掛からなかった。
ガモフは校長先生を瞳にとらえた
「お主の聞いたエリックの噂は本当じゃ。じゃが、先ほどミーナが言っておったがエリックは剣術など学ばなくても十分強いんじゃ…」
「それでは、なぜこの剣士育成高等学校に…お越しになられてのですか?…お邪魔とかそういう理由で聞いたわけじゃないですよ!…英雄をお邪魔だと思う人なんて存在しませんよ!」
ヒタイに冷や汗をかいて必死に自分の妄言を撤回しようとしていた。
「なぜ、剣士育成高等学校にきたか、か…それはじゃな…」
「学校に行きたかったからだ」
俺はガモフの言葉をさえぎって校長先生の質問に答えた
「エリック…様の説明では…この剣士育成高等学校に通わなくても…魔法士育成高等学校へ行けば…学校にも通えて成績優秀で卒業できるのでは?…」
おいおい…と、ガモフが喋りだした
「何のためにエリックの詳細を隠しておると思っているんじゃ」
「それも噂程度ですが、聞いたことがあります。確か…英雄の8人目は未成年であるがゆえに世間には公表されなかったと…」
校長先生のそれは頭の中の記憶をたどりながらの言葉だった
「そうじゃ、さすが校長の地位にいるだけあるのう。情報に関しては詳しいようじゃな。じゃが、そこまでわかっておいて正解が分からないのかの?」
校長先生は腕を組み考え込んだが…答えは出なかったようで、首を横に振ってきた
「そうか…わからんのか…仕方ないのう、お主は未成年であるがゆえに公表されなかったと…そう申したな?ならば、魔法士育成高等学校に通うとなれば…エリックが英雄の一人だと民衆に伝えるようなものなのじゃ。それはじゃな、公表していると…さして変わらないのじゃよ。」
またしても俺はガモフの話をさえぎって喋りだした
「そういう事…ガモフが魔法士育成高等学校はダメと言ってきた。頑固ガモフ…頑モフ…だけど、学校には行きたい文字…知りたい…だから、ここ。それに、魔法が得意でも魔法が使えなくなる時がキット来るはず。そのために剣術を学ぶ。今、自分が強いからと言って練習ができるのに練習をしないのは…愚の骨頂。成長できるのにしないのは大馬鹿のすること」
今度は俺の言葉を聞いていたガモフが口を開いた
「ワシは魔法が使えなくなる時はこないとおもうんじゃがな…じゃが、成長できるのにしないのは大馬鹿のすることじゃ。ここはエリックと同意見じゃな」
俺とガモフの言葉を聞いていた校長先生は謎がスッキリとれたような顔をしていた
「なるほど事情は、わかりました!それで、今日私の元に来られたのは。入学試験の免除ですかね?」
「そうじゃそうじゃ!わかっているではないか!じゃが、もう二つお願いしたい。一つ目はエリックは成績優秀で赤点は取らないと言っておるが…ワシは絶対に赤点を取ると思っている…じゃから、赤点をとっても音沙汰なしで頼むわい」
ガモフは少し頭を下げて誠意を校長先生に見せた
「頭をあげてくださいガモフ様。その件は了解しました。エリック様には悪いですけど、魔法士が剣術ができるなどとワタクシも思っていません…それで、もう一つのお願いとは…?」
少し真剣な顔になりガモフが口を開いた
「それはじゃな…この話をお主以外に広めたくないのじゃ。じゃから、頼むぞい…」
頑モフ…ガンモフ…