体育祭
新しい章が始まりました!
これからも!よろしくお願いします
「隊長…この魔獣の死に方は…異常過ぎます…」
1人の兵士が隊長におそるおそると言ったような感じで伝えた。
「これは…なんだ…この森に何が起きている…」
「わたしにもわかりません…ですが…上級魔獣と推定されるこの魔物よりも…強い魔物が存在したとしか…」
考えられない事ながら兵士達は必死に頭を回していた
「縄張り争いか…そういう情報は一切耳に入っていないが?」
隊長は確認のために兵士達の方向を向いた。
「いえ、わたし達もそのような情報を一切聞いておりません」
「そうか、心当たりは無しか…一応上の者に伝えておくとしよう」
「それが、よろしいかと。それでこれからどうします隊長」
「そうだな、とりあえずはこの場所に目印を付けてから生徒達をテントのある場所まで運ぶとしよう」
隊長の言葉を聞き兵士達は一斉に行動を開始した。
木に傷を付ける兵士もいれば魔物の死骸を近くで見る兵士もいた。
「さて、そろそろいくぞ」
隊長のその言葉で兵士達はアメリア、エカテリーナ、レティシア、俺を抱えテントへ足を向けた。
(俺を抱えるのはいいが…これは生まれて初めてだな…)
なんと俺を抱えている兵士は…
お姫様抱っこで運んでいた。
恥ずかしくなったが…ここで起きるわけにもいかず、寝てるフリを続行した。
俺は身を任せるままテントの中まで運ばれ、ゆっくりと床に置かれ…
親切にも兵士達は俺達にタオルケットをかけてくれた。
そして、そのまま兵士達はテントから出て行った。
それを確認し俺は目を覚ました。
「ここは、テントの中か…」
周りを見渡し、あることに気が付いた…
(なんだと…)
俺は隣にアメリアが居ることに気が付いたのだ。
そして…アメリアは俺と同じタオルケットの中で寝ていたのだ。
(もう少し考えてほしいものだな…)
などと思いながらタオルケットから出ることにした。
すると、タオルケットを揺らしたせいかアメリアが動き出した
「んん…エリック君?…」
アメリアは目をこすりながら眠たそうに話しかけてきた。
「…」
は何も答えず無言のままになってしまった。
すると段々とアメリアの顔が驚きの顔に変わっていった
「エ、エリック君!?」
アメリアは、やっと状況が理解できたのか驚きを隠しきれていなかった。
「落ち着け…」
俺はアメリアを落ち着かせるために声を掛けた。
「え!…はい…はうう…」
自分が大声をだしたことが恥ずかしくなったのか見る見るうちに顔が赤くなっていった。
「落ち着いたか?」
俺はアメリアに確認を取った
「うん…」
アメリアは恥ずかしそうに頭をコクりと縦に振った。
「アメリア、どこまで覚えている?」
アメリアは突然の質問に少し戸惑いつつ、記憶を思い出しているようだった。
「ええっと…」
俺はアメリアが考えている最中に、それをさえぎるようにして、喋りだした。
「外で話さないか?二人の寝ているところを邪魔しちゃ悪いしな」
俺はエカテリーナとレティシアを見ながら言った。
アメリアは後ろを向き二人が居ることに気が付いたようだった。
「お二人もいたのですか!?大声出してすみません…」
アメリアは二人の方を向いて律儀に頭を下げた。
俺はそれを見てから立ち上がりテントを出た。
周りは兵士達はおらずテントただ1つだけだった。
そして、テントからアメリアもでてきたが状況が理解できていないようだった
「あれ、みなさんは?…私たち…置いて行かれたのですか?…」
アメリアは心配そうに喋り掛けてきた
「いいや、多分…生徒達を探しに行ったと思う。俺達が襲われ実戦訓練は危険と判断したのだろう」
俺はそう伝えると。
アメリアは何かを思い出したかのように俺に迫ってきた
「そうです!魔獣はどうなりましたか!?エリック君が生きているということは…エリック君が倒したのですか?…」
俺は少しの間考え込み…そして、口を開いた
「それは、ないな…俺もあまり覚えていないが、アメリアを呼んだ時に急に意識が遠のいて…今に至るという事だ」
俺はなにがなんだかサッパリわからいような、顔をした。
エリックのサッパリわからない顔は…
馬鹿みたいな顔なのかな?