剣術大会3
今回少ないような気がするけど、いつもとあまり変わらない文字数です。よろしくお願いします
「そんなふざけた理由だけで俺を呼び出した訳じゃないだろ?」
俺は威圧交じりにジョセフに質問をした。
「ああ、一撃で倒せるかって言うのもある。けどな一番の目的はお前がどうして剣士育成高等学校にいるか…だ。正直気に食わねえが、お前は何かを学ぶ玉じゃねーだろ」
ジョセフの話は衝撃的だった。
(ジョセフが、俺を褒めるとはな…)
「それはだな。学校へ…通ってみたかった…」
俺が発した言葉で一瞬場が静寂に包まれた
「…それは、どういう事だ?国からの任務か?任務なら邪魔をしたな…悪い」
ジョセフは本当に悪く思っているのか、先ほどまでの威勢がどこ吹く風だ。
だが、そんなジョセフには悪いが…国からの任務なんてそんな素晴らしいものではなかった…
「用件は、それだけか?なら俺は帰るぞ?」
俺は屋上から立ち去ろうとした時、まだ何かあるのか俺は呼び止められた
「校長先生に聞いたぞ、1ヵ月後に剣術大会があるんだろ?お前…剣の腕はどうなんだ?」
ジョセフが珍しく心配してくれたようだった。
「そうだな…順調…ではないな…多分だが…この学校のワースト1位2位を争うほどだな…」
「おま!…それは、本当なのか?…」
俺は嘘をつく必要もないので、コクリと頷いた
「まじかよ…本当に、魔法しか取り柄がないのか…」
(今日のジョセフは、どうしたんんだ?そんな、同情するような奴だったか?)
俺は不審に思いエイミーの方を向いた。
「エイミー…ジョセフはどうしたんだ?…」
俺の素朴な質問にエイミーも俺と同じで、ジョセフがおかしいと感じていたようだった
「わからないな~…もしかして、さっきの会心の一撃を受け止められたからとか?」
「んなわけあるかよ…」
ジョセフは目を逸らすように、エイミーの質問に答えた。
「図星ねぇぇ?エリックに止められたのが、そんなにショックだったの?」
「違うって言ってるだろ」
エイミーのしつこい質問にジョセフはシビレを切らしたように、エイミーを睨みつけた。
「わかったわかった、ごめんって!そんなに怒らないでよ~私も少しいじ悪し過ぎたよ…反省してます。」
(まったく、エイミーは何をやっているんだ…)
俺は二人の茶番劇を見て、少し羨ましいと思ってしまった
(なんでも話せる友達か…俺にもそんな友達が…できたらいいな…)
夢に描いていた学校にまた新たに夢ができた感覚だった。
「エリック、何をニヤニヤしている。エイミーに見惚れているのか?確かに…美人ではあるが…」
「ちょっと!なによ!何か言いたいことがあるの?!」
ジョセフはエイミーに呆れたようだった。
「エイミーはこう見えて、大雑把なんだよな…家で脱いだ服をそこら辺に放り投げ、散らかしたままにしている…本当に…メイドが居なかったら今頃、エイミーの家はゴミ屋敷だったな」
「それは言い過ぎだよ~!それに、少しぐらい部屋を汚くしないとメイドの仕事を奪ってしまう事になるから、わざと少しだけ…本当に!少しだけ、部屋を汚しているの…本当に!少しだけだよ!」
エイミーは必死になっていたが…
「わざと、汚くしているのは…かなり達が悪いとおもうが?…」
俺は思った事を素直に口にしてしまった。
「…エリック?…大人にはいろいろあるのよ?子供は知らなくていい事がいっぱいあるのよ?だから、これ以上何も聞かないでね?」
エイミーはニッコリと笑ったが…目が死んでいた。
これ以上何かを聞くようなら容赦なく切りつけるような殺気すら感じた。
(魔物以上の、迫力だ…)
俺はこのままここにいるとジョセフの巻き沿いをくらいそうなので、早々にここから立ち去る事にした。
「さて、俺はもういくぞ。今日講座で習ったことを復習しないといけないからな」
俺は冗談交じりに言い残し、階段を降りて行った
エイミーは、大人に見えて美人の分類だが、片付けが苦手。
何事にも、弱点はある。