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剣術学校の赤点候補生  作者: 暁 皇成
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思わぬ来訪者7

思わぬ来訪者編が、俺が思っていた以上に長いかも。

「剣の強さじゃないよ…」


「そうなのか…なら、なんの強さだ?」


アメリアは顔を少し下げ恥ずかしそうに口を開いた


「エリック君の…心…だよ…」


(心か…考えた事もなかったな。だが…)


「俺には心の強さなんてものは…ないぞ?…」


俺は素直に今の思っていることを告げた


「エリック君は!強いよ!誰よりも…その…心の強さは、どこから来ているのか聞きたいくらいだよ…本当に…すごい…」


アメリアは喋っている間に段々と声のトーンが下がっていった。


「アメリアがそこまで言うほどなのか…自分の事なのに自分がわかっていないとはな…だがもし、俺の心が本当に強いならば…」


(俺は自分の心が強いなんて考えた事も言われた事すらなかった。だから、理由など無い…だが、理由など無いと答えるのは簡単だ…それではアメリアが望まない答えだろう。ならば、仕方ない…適当に答えるしかないだろう…)


俺は長々と考え結論をだした…そして俺は口を開き言葉を続けた


「アメリアの…おかげかもしれないな」


俺はアメリアにニッコリと優しい笑顔で笑いかけた。


「わ!わたし!?」


「そうだ、アメリアが俺に教えてくれた事忘れたのか?俺たちはまだ始まったばかりで、これから成長できる。二人でカルロスを見返そうって…そう言ってくれたからこそ…俺は頑張れたのかもしれない…」


(嘘はついていないはずだ…)


と、俺はくだらない事を考えているとアメリアは顔が見る見るうちに赤くなっていき、完全に下を向いてしまった


「どうしたアメリア、体調でも悪いのか?大丈夫か?」


俺は心配になりアメリアに近寄った…


「だ、大丈夫です!気にしないでください…」


急にアメリアは慌てた様子を見せた


(やはり、先ほどの発言は失敗だったか…ミーナに、女の子は褒めてあげないといけないと言われていたが…難しい…)


「大丈夫ならいいのだが…」


俺は喋りながら元々座っていた場所に座りなおした。



「はい…問題ありません…それより…エリック君は…」


アメリアは一呼吸置いてから再び口を開けた…





「英雄の一人ですよね…」





俺は一瞬時が止まったような感覚に見舞われた…


(ボロは出してないはずだ…逆に、剣術テストで転び…赤点を取ってしまったのだから…疑われる事はないはずだ…)


適当に言っているだけだろうと思い。


軽い冗談だと思い返事をした


「そんなはずがないだろ?…確かに8人目の英雄は未成年らしいが…魔法を得意としていると聞いたが?…」


俺の素直な質問にアメリアは少し困ったような顔をした


「それは…そうだけど…私…エリック君を1年前に、見たことがあると思うの…」


俺はアメリアの言葉を聞き少し危機感を覚えた


(昔の俺を見られていた?…いったいどこで?…助けた村か?…それなら…納得がいくが…ガモフの言いつけが…早くも守り切れなくなるとは…)


「俺を見たことがある?…多分それは、人違いじゃないかな…俺は貧しい村で家族楽しく、暮らしていたんだぞ?…」


俺の言葉を信じてくれたのかアメリアが驚いた顔をした


「ほんとに!?なら…違うのかな…一年前にね、私の住んでいた村が魔王討伐するのに一番近い場所だということで…英雄全員が集まってきたの…そこで英雄の誰かが…エリック…と言う名前を呼んでいたのを思い出して…最初は偶然かな?…なんて思っていたけど…英雄のミーナ様とお知り合いだと聞いて…私は確信したのですが…違いましたか…ごめんね…エリック君…」


(確かに魔王に一番近かった村で全員が集まったのは事実で、俺が居たのも事実だ…)


「俺は英雄と間違えられて少しうれしいかな…だけど…その英雄様は、俺と一緒にされて…少しかわいそうだと思うな…」


俺は皮肉にも自分で自分の事を悪く言ってしまった。


(すぐに、ミーナに相談するか…)


「アメリア、悪いけど…急用を思い出したから…そろそろ家まで送るよ」俺はそう言い、玄関に向かった。

見てくれてありがとうございます

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