思わぬ来訪者4
この頃でたモバイルゲーム非人類学園のCM見ましたが…すごい迫力ですね
「エリック君…少しいいかな?…」
俺はその優しい声をした方を向いた。
「どうした?」
俺の返事を聞き一呼吸置きその人物は答えた
「一緒に…帰りませんか?…」
俺は学校にきてから初めてそんな言葉をかけられた
(俺は完璧に、友達作りに失敗していたわけか…)
などと思った。
そして、
俺にとって目の前の女の子のお誘いは思いもよらなかった。
「ああ、俺はかまわないよ?」
「ほんと!?ありがとう!」
目の前の女の子は本当に嬉しそうにしていた。
「いこうか」
俺がそう切り出し、先に教室を出た。
「まって!一緒に帰ろうって言ったじゃん…」
彼女は少し悲しそうな口調で言ってきた。
だが…俺はなぜそんな言葉を言われたのか分からなかった。
「そのつもりだが?…」
俺は訳が分からないので彼女の言葉を肯定した。
「ほんとにわかってないの?一緒に歩こうって事だよ…」
彼女はションボリした顔を見せてきた。
「そういう事か。なら、最初から言ってくれ。俺には分からなかった…すまない」
「いいの!いいの!気にしないで…でも、エリック君って意地悪なの?…」
(気にしないで…と言われたばかりなのに…気にすることを言うなよ…)
「意地悪かどうかは、俺自身意地悪ではないと思う。だが、ほかの人が意地悪だと思うのなら…俺は意地悪なのだろう…どうなんだ?」
俺は彼女の顔を見て質問してみた。
「その質問はずるいなぁ…ここで私が意地悪だと思ってもあんまりそういう事、人に言えないでしょ?…だからって!エリック君が意地悪って言っている訳じゃないよ!?」
「別に、俺に気を使わなくてもいいんだぞ?」
俺は素直に告げた。
「さっき初めて話しただけの仲ですよ?…そこまではまだ言えませんよ…第一印象は大事なんですからね」
(自分からそんなことを言って大丈夫なのか?…)
などと、
くだらない事を俺は考えてしまった
「そういうものなのか…」
「はい!」
その言葉を聞き届け俺は再び歩き出した。
彼女も俺の隣へ急いで歩いてきた
「そういえば、君の名前をまだ聞いていなかったね。教えてくれる?」
俺の言葉を聞き彼女も名乗っていなかったのを今気が付いた様子だった
「あ!そうだね!私は、レティシア。よろしくね!」
「了解した。それと、レティシアの家まで送るから安心してくれ」
俺は善意で話したのだが…
レティシアは…
「言わなければかっこいいのに…」
と小声で呟いていたが、俺には聞こえず、続けた
「うん!ありがとう!エリック君は優しいね!」
俺は少し照れ臭かった…面と向かって女の子に優しいなんて言葉を言われて、内心少しうれしかった。
「そうでもないさ、世の中にはもっと優しい人が星の数だけいる。」
「そんなに謙遜しなくてもいいのに~エリック君は本当に、優しいよ?」
俺はそのレティシアの言葉を苦笑いで返した。
そのあと案の定、無言のまま二人で歩いた。
するとレティシアから声がかかった
「でも、エリック君ってすごいよね~なんであんなに剣を振るっていられるの?授業中一回も休憩してなかったよね。体力が底なしと言うか、頑張り屋と言うか…とにかくすごいよ!私そんなことできないもん!」
(自分が出来ないことをそんなに誇らしげに言われてもな…)
「俺は人より劣っているからな…その分休む暇を惜しんで練習して普通の人と同じステージにいけるんんだ…だから、俺はこのぐらいがちょうどいい」
「ええ!?人より劣っているから人より練習しているんだよね!?それって!すごいじゃん!私なら…無理かな~私だったらすぐ挫折しちゃいそう…しかも、今の環境でさえ…赤点取りそうなのに…」
嫌われると思っていた俺は、意外な返答にすこし戸惑っていた。
「なにも…すごいことはない…それに、赤点を取れば練習ができる時間が増えると考えれば、俺は区にはならない…」
「へぇ~エリック君って意外と頭がいいんだ!すごい!頑張り屋で、頭が良くて…かっこよくて…本当に!すごいよ!」
レティシアは少し恥ずかしそうに俺の事を褒めてきた。
「本当に…なにもすごいところなんてないんだがな…」
俺は正直、カルロスと戦った時に悟ってしまった…
俺には剣の才能はないと…
「エリック君って…クールなんだね!私はそういうの好きだよ?」
「俺はクールなんて大層なものなんかじゃない…ただ、己の限界を知っているだけだ…」
「それがクールって私は思っているんだよ!あ!もう私の家だ!送ってくれてありがとう!これからもずっと、友達で居ようね!バイバイ」
「そうだな…友達で…いられたらいいな」
だが、俺は聞いてしまっていた…彼女が、友達同士の罰ゲームで俺に接触してきたことを…
(聞かなくてもいい事は実際にこの世に存在するんだな…)
全てを知っていて、仮面を被る…