間章その一『星波学園の人々』12
★夜衣斗★
「あの二人が仲が悪いのには、生徒会と自警団が仲が微妙に悪い事も関係しているみたいなんだよなぁ」
食堂で昼ご飯(俺がみそラーメンで村雲が激辛カレー)を食べ終わった後、村雲がそんな事を言い出した。
「生徒会は子供、自警団は大人って事もあるんだろうけど、何より大きいのは星波学園の生徒が、まあ、学園の武霊使いのほとんどが町の外の人間だからさ。武霊関連のトラブルを町で起こすのは大体が星波学園の生徒なんだよ」
……なるほど、確かに武霊使いが生活に常に組み込まれている星波町住人に比べ、外から、町にいる時だけ武霊使いになっている生徒達からすると、その意識は段違いなんだろう。なにより、子供と言うのもいけない。一般的に子供の方が自制心が低いって言われているし、犯罪の低年齢化も、ここに無縁ってわけにもいかないんだろう。
「自警団としては生徒会が上手くそう言う連中を押さえていないからトラブルは起きるって思ってるようだし、生徒会としては武装風紀委員の町への介入が許されていないのがそう言う連中を抑えられない原因だと思っているみたいだからな」
随分と平行線をたどりそうな話だな……。
「っで、赤井はよく自警団の応援要請を受けてるから、生徒会長である琴野としては面白くないってわけだ」
などと言いながらチラッと窓から上空を見上げた。
つられて見ると、三十分ぐらいは経ってるって言うのに、二人はまだ空中戦を繰り広げていた。
「あの二人。この学園で一・二を争うほどの実力者な上に、互いに相手を傷付けない様に武霊に命令してんから、決着がなかなか着かねぇんだよなぁ……まあ、いつもの事だから、みんな気にしてないだろ?」
……確かに、廊下にいる他の生徒は一切空を見ていない……なんだかなぁ……ってか、妙に親しげだよな……。
俺の懐疑の視線に気付いたのか、村雲は苦笑して、
「春休みまで赤井とは同じ部活に所属してたからな。っで、琴野も生徒会に入るまで、その部活に所属してたんだよ」
………部活ね………