間章その一『星波学園の人々』11
★夜衣斗★
朝のホームルーム後、午前の授業はつつがなく終了した。
………ん〜俺が通ってた前の学校は、結構バカな学校だったから………授業内容が全然違うな……まあ、ついていけないほどじゃないか?……うん。頑張ろう。
まあ、そんなこんなで昼休み。
各授業間の中休みの時もそうだったが、村雲以外のクラスメートは一切俺に近付かなかった。
……ん〜無視されているわけではない様だけど………なんなんだろう?
「黒樹。昼はどうすんだ?」
そう村雲に問われて、どうするか考えようとした時、下の階からとてつもない爆発音と振動が来た。
ぎょっとして外を見ると、俺の視界を下から上に何かが二つ飛び通った。
上空を見ると、コウリュウとフェニックスみたいな武霊が威嚇しながら対峙している。
コウリュウの背中には当然美羽さんが、フェニックスの背中にはツインテールの少女……ハーフかな?……が乗って、上空でなんだか言い争いをしていた。空じゃなかったら今にも取っ組み合いになりそうな感じだ。
「お?またやってんなあの二人」
また?
村雲に疑問の視線を向けると、村雲は苦笑した。
「あのフェニックスに乗ってる子はな。琴野沙羅って言ってこの星波学園の理事長の孫であり、統合生徒会の生徒会長もしてる子だよ」
……随分濃いキャラです事で。
「あの二人、事ある毎に喧嘩しててな。まあ、あいつら根本的に似てる所があるから、同類嫌悪ってやつだな」
……同類嫌悪ね……。
再び爆発と衝撃が起こったので、発生源である上空を見ると、二体の武霊が空中戦を繰り広げていた。
「っま、いつもの事だから気にしないで食堂にでも行こうぜ。それとも購買がいいか?料理部ってのもありだな」
などと言いながら村雲は教室から出ようと歩き出した。
……確かに、俺以外のクラスメイトは最初ちょっと注目して、すぐに気にしなくなっている……これがいつもの事って……ほんと、すごい学校だな。
二人の空中戦が気になったが、とっとと村雲が教室から出てしまった為、俺は村雲の後を付いて行こうとした。
その時、視界の隅に再びあの三つ編みのクラスメイトが入り……窓の外にあの怒りと恐怖が入り混じった目を向けている事に気付いた。
俺の視線に気付いたのか、ふいっと彼女は自分の弁当を食べる事に戻ったが……どうしてだろう……何故か彼女が気になる。
「お〜い。早く行こうぜ」
既に教室から出ていた村雲の声に、俺はやや慌てて教室を出た。