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間章その一『星波学園の人々』5

  ★夜衣斗★

 学校の事務所は、大体がその校舎の一階にあるものだと思ってたけど、星波学園の事務所は小中高大の事務所が一つの建物に纏められて人工島のほぼ中央にあった。

 まあ、ここを普通の学校の基準に当てはめるのは無理があるから、その事には対して驚きはしなかったが………と言うか、ここに来る途中に見かけた学園大講堂の大きさと、理事長兼学園長宅の豪華さには驚きと言うより呆れ疲れてしまったからかもしれないが……。

 ……にしても、どれだけお金が使われたのか見当が付かないな……。

 何だか深いため息が出た。

 事務所棟で生徒カードを作って貰い、とっとと事務所棟を後にする(仮カードを渡して写真を取って、静脈・指紋・網膜登録をして、10分もせずに出来た)。

 高等学校校舎職員室で、俺の担任になる先生が待ってるらしいので、美羽さんの案内でやや急いで高校に向かう。

 途中、やたらとでっかい学生寮と学園警備棟の横を通り、学園庭園を再び通り、やたらと長い船着場の横にある道を通る。

 同じ様な小学校・中学校の校舎の横を通り、一番奥の高校に辿り着いた。

 ちらっと横目で見たが、それぞれの校舎に体育館・室内プール・グラウンドが付いている様だった。

 多分、元々空港として造られた人工島だから、場所が余ってたんだろうが………何だか勿体ない様な気がしないでもない……貧乏性だな俺。うん。

 途中に事務所棟に寄ったせいか、さっきから他の学生を見かけていない。そろそろホームルームの時間って事だろうな………って、それはまずくないか?俺じゃなくて、美羽さんが。

 「………美羽さん。後は一人で大丈夫ですから、案内はここまででいいです」

 俺にそう言われ、ちょっと驚いた様な表情をする美羽さん。

 ……まあ、確かに、俺が自主的に喋るのは珍しい事だが……。

 「えっと、そうですね。私もそろそろ自分の教室に行かないといけないですよね……私、一年B組ですから、何かあったらB組に来て下さいね。あ!分かってると思いますけど、昨日教えた携帯番号には、武霊関連の話は使えないですからね。えっと、それから………」

 分かってるって……心配し過ぎ、君は俺のお母さんか……

 俺が呆れた目線を送っていると、照れた様に笑ってじゃあっと言った感じで手を上げて、小走りで生徒用下駄箱に走っていた。

 ……先生か……どうか、変わった先生じゃありません様に……。

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