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間章その一『星波学園の人々』3

  ★夜衣斗★

 普通、中学・高校の転校は、学校見学やら、転校試験やら、転入手続きやらと色々とある……らしい。ネットで調べた感じだと、そんな風にどこも書いてあったので、通常はそうなのだろう。

 けど、星波学園に転入手続きをしてくれた春子さん……ではなく、美衣さんの話(電話でのやりとりでは春子さん自分でしたと言ってたが、昨日の歓迎会でそれも嘘だと言う事が判明した上に、春子さんの代わりに美衣さんがしてくれたとも判明した。両親の代わりの春子さんの代わりの美衣さんが俺の転入手続きをしてもよかったんだろうか?そもそもそこからおかしい様な……)によると、星波学園は『来る者拒まず、去る者追わずの基本方針』らしく、転入に学校見学の必要性も無く、転入試験も無いらしい。学力に自身がない俺としては、かなり助かった事は助かったんだが……そんなんで、学校としていいんだろうか?……まあ、この学校がある町の特殊性を考えれば、そうでもしないと学生が集まらないって事なんだろうか?

 ……どうか不良が大量にいませんように。

 などと祈りながら、俺は美羽さんと共に学園大橋を渡っていた。

 周囲には同じ様に徒歩で星波学園に向かっている小学生から大学生までいて、かなり広く作られている学園大橋が狭く感じる。

 ……なんだか緊張するな。

 転校なんて初めての事だから……てのもあるが、何より一昨日・昨日の事でだ。

 かなり目立つ事をしたわけだから、目立つのは間違いない。

 それは、目立つ事とは無縁の生活を今までしてきた俺には、かなりの負担になっている。

 「大丈夫ですよ」

 不意に美羽さんがそんな事を言った。

 「星波学園のほとんどの生徒は、町の外からの人達ですから」

 ……なるほど……って事は、忘却現象の影響で、一昨日・昨日の事をほとんどの生徒が知らない訳だ。

 冷静に周りを見て見れば、誰もこっちを見ていない。自意識過剰だったわけだ……恥ずかしい。

 「でも、朝のホームルーム終わりぐらいには、全校生徒に知れ渡ってると思いますよ。顔写真付きで」

 ……マジですか……ってか、顔写真付きって……

 「星波町に住んでる学生の武霊使いの中に、何人か隠密が得意な武霊使いがいますから………」

 そう言う美羽さんの目に一瞬怒りの炎が浮かんだような……盗撮でもされたのか?

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