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第一章『武霊のある町』35

  ★夜衣斗★

 「大丈夫ですって、すぐに終わらして帰ってきますから、夜衣斗さんは、先に帰っていてください」

 そう言って美羽さんは笑顔で、元来た道を走って戻って行った。

 なんでも高神姉弟を捕まえる為の人数が中々集まらなくて、美羽さんにお呼びがかかったらしい。

 っで、俺が何かを言う前に、「夜衣斗さんは来なくていいですからね。いくら凄い武霊を持ってても、夜衣斗さんは武霊使いになったばかりなんですから、無茶は駄目です」っと言われたので、俺は一人で春子さんの家に帰っている。

 ……誰も一緒に行くなんて言うつもりはなかったんだが……美羽さんの中で、俺はそんなキャラになりつつあるのか?……明らかに真逆のキャラなんだが……。

 などと思いながら交差点で信号を待っていると、背後から機械音が聞こえてきた。

 どこかで聞いたことがある音だな……確か……電動車椅子の音だな。

 そう思いだしていると、俺の隣にその電動車椅子が止まった。

 ちらっと視線を向けると、四十代ぐらいの男性がその電動車椅子に乗っている。

 その男性を見た時、俺は一瞬、ぎょっとした。

 何故なら、横上から見えた男性の喉全体に、でらためと言っていいぐらいの縫合跡があったからだ。

 そんな傷を負ってよく生きていられたものだと思う。まさに奇跡と言っていいんじゃなだろうか?……でも、あれじゃあ、多分だが、まともに喋れないだろうな……ん?喋れない?ってか、喉が喋れない状態って………まさか!

 「「正解だ。黒樹夜衣斗」」

 その聞き覚えのある声を発したのは、電動車椅子のひじ掛けに納められていたノートパソコンからだった。

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