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プロローグ6

 突然現れ、俺を救った鎧甲冑を着た大鬼。

 振り返って向けられたその視線は、俺には向けられておらず、俺の上、家の屋根へと向けられていた。

 「よくやった」

 そう声がして、人が俺の前に降ってきた。

 短髪で、目付きの鋭い中肉中背の成人男性だった。その腕には、『星波町自警団』と書かれた腕章が嵌められている。

 さっきの放送を思い出す俺。まあ、思い出したからと言っても、わけのわからない状況であることにはかわらないが……。

 「君、大丈夫かい?」

 大丈夫です。

 そう言おうとした時、周囲に何かが着地する音が聞こえた。それも複数。

 視線を向けると、そこには倒された骸骨犬と全く同じ骸骨犬が何匹もいた。

 「っち。他の連中は何やってんだか」

 男性は俺を庇う様に動き、腰に付けていた伸縮式警防を構えた。

 「蹴散らせ、剛鬼丸」

 男性の命令に、剛鬼丸と呼ばれた大鬼は最も近くにいる骸骨犬に拳を振るう。

 その素早い拳撃に、骸骨犬は避けられず、たった一撃で全身が粉砕された。

 それを見た骸骨犬は、ターゲットを剛鬼丸だけにし、一斉に襲い掛かる。

 剛鬼丸は、骸骨犬が襲い掛かってくるのに避けもせず、骸骨犬の爪や牙が剛鬼丸の鎧に突き刺さる。

 だが、攻撃を全身に受けている剛鬼丸は平然としており、それどころか、肩に牙を突き立てている一匹の頭部を無造作に掴み、握り潰した。

 危機を感じたのか、一斉に剛鬼丸から離れようとする骸骨犬だが、何故か剛鬼丸から離れる事が出来ない。よく見ると、爪や牙が突き刺さっている鎧が急速に修復されて、まるで鎧に掴まれているか様な状態になっていた。

 そして、剛鬼丸は逃げれない骸骨犬を一匹一匹確実に握り潰し、全滅させた。

 最後の一匹が握り潰された所で、俺は玄関にもたれかかる様に座ってしまった。

 張っていた緊張の糸が、ぷっつりと切れたんだろう。

 深い溜め息を吐く俺に、男性は苦笑した。

 「だらしないな。お前、おと……」

 男性の言葉が不自然に途切れた為、俺は反射的に男性を見て………最悪だ。と思った。

 何故なら、男性は驚愕に目を見開き、自分の『胸に突き刺さった骨』を凝視していたからだ。

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