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第一章『武霊のある町』26

  ★???★

 全てが瞬く間に終わった。

 突然黒い鬼の様になったオウキに、麗華はそれまでオウキを抑え付けていた武霊達に攻撃させた。

 その瞬間、麗華の視界からオウキの姿がかき消えた。

 そして、攻撃させた五体の武霊達が真っ二つにされて消滅。

 麗華がそれに感情を露わにするより早く、消えたオウキが現れた。

 その両手には、禍々しく黒く大きくなった双刀が握られている。

 そのあまりの早さに反応出来ない麗華を守る為に、武霊達がオウキに襲い掛かった。

 無造作に刀を振るうオウキ。

 刀が振るわれた瞬間、黒い刀身が伸び、麗華の周りにいた武霊達が一刀両断にされた。

 防御が間に合った武霊もいたが、その防御ごと斬られ、消滅している。

 麗華が驚きから回復して、攻撃の命令を出そうとしたが、思考が止まる。

 こんな圧倒的な相手に、どんな命令をすればいいのか?

 再びかき消えるオウキ。

 振り向くまでも無く、残りの武霊達が消されるのを感じ、麗華は、

 『キレた』


  ★夜衣斗★

 圧倒的だった。

 オウキのオーバードライブモードは。

 これほどだったら、剛鬼丸の時も使えばよかった……か?・……いや、あの時、確かにこれを使う考えはあったが……これを思い出し時には既にしんどい状態だったし、発動まで使えたかも怪しかった。物凄く負担が来るのは何となく予想できたし、結果、しなくて正解だった。

 今現在、十秒も経ってないのに、意識を失いそうなほどくらくら来ている。

 どう考えても、これは本当の切り札とししか使えない機能だな、これ。

 地上にいる高神の武霊は全て倒した。後は、上空にいる美羽さんと交戦中の武霊達のみ。がんばれ俺!

 「振動双刀収納。セレクト。二丁拳銃。レーザーモード!」

 その言葉に、オウキは俺の見えない速度で刀を収納し、二丁拳銃に持ち替えてた。

 二丁拳銃はオーバードライブモードの影響で大きく黒く禍々しくなっているが、基本構造は変わっていないので、銃身が銃口からガシャンと音を立てて十字に開き、レーザーモードになった。

 「撃ち落とせオウキ!!」

 俺がそう命令した瞬間、不意に俺の前に高神が現れた。

 顔が下を向いている為、その表情をうかがい知る事は出来ないが、『より異常な状態』になっているのは分かる。

 『嫌な予感』を感じた。

 その次の瞬間、高神がいきなり俺に向かって飛び掛かってきた。

 『ぞっとした』。

 高神の『その行動にではなく』、次の瞬間に高神の身に起こるであろう惨劇を瞬時に想像してだ。

 シールドサーバントの力場には、三つのモードがある。

 それぞれ、『液体』・『固体』・『気体』の三つの名前が付けられていて、それぞれが『名の通りの特性』を持っている。

 液体が、流動的に力場が展開されていて、力場が常に流れている。その為、柔軟性があっても脆い。だが、直に修復出来る特性がある。

 固体が、展開されている力場が固定されていて、柔軟性は全くない。が、その分液体より硬く、対象を拘束するのに向いている特性がある。

 気体は、力場が常に放出され続けていて、最も強固な上に、攻撃されて力場が相殺されても、次々と新たな力場が展開されるので、よほどの強力な攻撃でない限り、消える事はない特性を持っている。

 詳細な知識を持たない子供の頃から考えている機能なので、少々デタラメな所はあるが、今、問題なのは、現在使っているモードが、気体だと言う事だ。

 気体は、最固のモードではあるが、拘束するのに向いていない。

 何故なら、気体モードは、常に力場が放出され続けている……つまり、力場の外側表面は、『常に超振動している針の山の様な状態』と言う事。

 つまり……

 このままだと、高神が『ミンチ』になる!!

 反射的にそう思った俺は、

 「シールド解除!!」

 と命令してしまった。

 まさか、飛び掛かってきた高神に、そのまま首を絞められながら、押し倒されるとは思いもしなかったが………

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