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第一章『武霊のある町』25

  ★夜衣斗★

 オーバードライブモード。

 俺が考えているオウキの物語の中で、オウキがその時に仕えている王の命令のみで使える『切り札』。

 オウキの動力源であるライオンハート機関を限界まで活動させ事により、限界以上の運動・攻撃・防御を発現させる。そして、その活動に耐えられない機体の保護と強化も兼ねて、余剰エネルギーで新たな黒い鎧を構築する。

 それが、オーバードライブモード。

 当然、限界以上の機能強化は、オウキに多大な負荷が掛り、エネルギー消費も激しい。その為、物語の中でも三分の活動限界を設定していた。

 そして……想像通り………物凄く……辛い。

 さっきまでそれほど感じなかった意識の薄らぎが、急に強くなり出した。……これは………どう考えても、三分も持たない。

 「一分で決めろオウキィィィ!!」

 薄れる意識を必死に抑える為に俺は叫ぶ様にオウキに命令し、黒い鬼と化したオウキが応えるように吠えながら高神の武霊達に突撃した。


  ★美羽★

 その爆発が起きた時、私とコウリュウはキゾウの水撃をかわしながら、麗華の武霊達と空中戦を繰り広げていた。

 驚いて爆発が起きた方向を見ると、あのスライムの様な麗華の武霊が無くなっている。

 そして、理解した。

 麗華の武霊が食べられていた夜衣斗さんの偽物が、自爆して麗華の武霊を消滅させたって事を。

 ……本当に色々と考えている人だなぁ……夜衣斗さんって。

 私はその夜衣斗さんの用意周到さに、呆れに近い感心を抱いてしまった。

 武霊の基となっているイメージは、寄生者の『心に強く刻まれたイメージ』。つまり、その人の『人生』や『心の根底』を形作っているもので……夜衣斗さんみたいに全くのオリジナルのイメージを武霊になるほど強くイメージできる人は本当に『稀』だったりする。

 私のコウリュウだって、私が『子供の頃から大好きな児童小説に出てくるドラゴン』が基で、他の武霊使いの人達も、『昔飼っていた犬』とか『子供の頃に見ていたテレビ番組のヒーロー』とかが武霊の基になってたりする。

 ……と言う事は、夜衣斗さんは、オウキの事を毎日イメージしていたって事になって……止そう。あまり人の過去をあれこれ予想するのは良くない。過去が何であっても、夜衣斗さんは夜衣斗さんだもんね。うん。

 ちなみに、武霊の分類付けの一つとして、イメージの基となったものが使われている。コウリュウがタイプ小説。オウキがタイプオリジナル。って感じに。

 ……とにかく、今は私達に襲いかかってくる麗華の武霊達を倒して、早く夜衣斗さんの援護に行かないと。

 そう思って、少し無理をしようとした時。

 黒い光線が私の視界にいくつも走った。

 その光線に麗華の武霊達が巻き込まれ、一瞬で消滅する。

 え!えぇぇえぇ!?何?何!?

 私達を襲ってきた武霊達とは、何度か戦ってるけど、そうそうと攻撃の当たる武霊じゃないし、一撃で消滅するほど防御力は低くなかった。

 その武霊達が一撃で倒された事に、ちょっと混乱しそうなりかけて、思い付く。

 夜衣斗さんだ!

 慌てて光線が撃たれた方向を見ると、そこには黒い光の煙を出して片膝を付いているオウキと、麗華に『首を絞められて地面に倒れている』夜衣斗さんがいた。

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